シャオミは8月27日、最新スマートフォン「REDMI 17」「REDMI Note 17 Pro Max 5G」を発表しました。あわせてスマートウォッチ「REDMI Watch 6 Lite」「REDMI Watch 6 Active」「Xiaomi Smart Band 11 Active」やロボット掃除機、スピーカーなどの新製品も登場しています。9月1日には、スマートフォン「POCO F9 Ultra」も追加で発表しています。シャオミ・ジャパン プロダクトプランニング本部 本部長の安達晃彦氏と、シニア・マーケティングマネージャーの片山将氏に、新製品投入の狙いや価格戦略、今後のラインナップの方向性について聞きました。
新REDMIシリーズ、今日本投入の理由は?
――「REDMI 17」は4G(LTE)モデルです。「REDMI Note 17 Pro Max 5G」とあわせて、なぜ今このラインナップを日本へ展開するのか、教えてください。
安達:日本への展開について基本的には、グローバルのローンチからできるだけ間を空けずに投入したいと考えています。ハイエンドになればなるほど、鮮度が高いものが求められますし、今は翻訳ツールなどもあってグローバルの情報が一気に広がるので、グローバルで盛り上がった瞬間を逃さずそのまま日本でも出したい。ローエンドについても、一番効率的なタイミングでお届けしたいという思いがあり、今になりました。
日本では5Gモデルが中心ですが、グローバルではまだまだ4Gの需要があり、かつその市場にはかなりのボリュームがあります。今、メモリーが高騰していますが、ローエンドになるほど部材の比率が高くなり、価格に反映されてしまいます。必要なバッテリー、パフォーマンスを搭載しつつ、最廉価の価格帯を下支えできる商品として、より安価な製品を求めるお客様向けに、4Gモデルの「REDMI 17」を投入しました。
製品の投入時期についてはシリーズごとに、グローバルで売上が最適化されるタイミングを模索しているところでもあります。例えば、REDMIシリーズを出すのは、実は今年2回目。1月に「REDMI Note 15 Pro 5G」と「REDMI 15 5G」を出してからわずか7カ月で、後継モデルが出たことになります。今年はこのような形になりましたが、今後REDMIシリーズについては、8月ぐらいにローンチするサイクルになっていくのではないかと思っています。
――今年はTシリーズの発売時期が前倒しになるなど、ラインナップの構成がこれまでと変わった印象があります。主力商品が前半に集中する形になりましたが、後半の商品展開についてはどのようにお考えですか。
安達:確かに、昨年のXiaomi 15Tシリーズは秋の発売でしたが、今年のXiaomi 17Tシリーズは6月に発売しました。ただ結果的には、メモリーのコストもある程度抑えた状態で準備でき、リーズナブルな価格でご提供できたのは良かったと思っています。昨年は1年で11モデルだったんですが、今年は8月時点ですでに13モデルを投入しています。先ほどお話ししたように、REDMIシリーズが2回になっているので、その調整は必要かなと思いつつ、世界第3位で豊富なラインナップを持つスマートフォンメーカーとして、フットワークよく新製品を出せるのは強みだと思っています。まだ具体的なことは申し上げられませんが、下期に関してもあと4カ月ありますので、いろいろと考えています。
――今、折りたたみスマートフォンの話題性、注目度が高まっています。この盛り上がりをどのように見ていますか。
安達:確かに盛り上がっているというか、盛り上げていただいているとも思いますが、実際には端末が高額ということもあり、市場構成比は1%ほどです。シャオミも、中国市場向けに「MIX」シリーズという折りたたみスマートフォンを4世代ほど出しています。技術開発も進めていますし、今後のお客様の認知であったり市場の盛り上がりによって、必要であれば我々も、という準備はできています。ただ一方で、単なる後追いはシャオミらしくないという思いもあります。特に、ハイエンドモデルはユニークさを持ったうえで投入しないと、出しただけで終わってしまう。そういったユニークさも含めて商品をご用意でき、かつポテンシャルがあると思えたら、そのときに判断したいと思っています。
我々の手持ちのカードは、折りたたみだけではありません。ライカのカメラであったり、バッテリー性能や長寿命、ゲーミング性能、コストパフォーマンスなどいろいろあります。もしくはこれからまた、新たな機軸をご用意させていただくかもしれません。武器はたくさんあるので、折りたたみに限らずご提供させていただきたいと思っています。
――「REDMI Note 17 Pro Max 5G」は、10000mAhという大容量のバッテリーを搭載しています。想定しているターゲットについて教えてください。
安達:どんなお客様に向けてというより、10000mAhという技術的なマイルストーンを、リアルな形で商品に落とし込めたのが今回の製品だと思ってます。バッテリー容量は、これまでも7000、8000というところまでは来ていましたが、10000mAhだとやっぱりインパクトがありますよね。できれば、それを一番手で登場させたかった。バッテリーは日本でもそうですが、グローバルでもシャオミに期待されている機能のひとつです。日本だけでなくグローバルも含めて、改めて「バッテリーのシャオミ」ということをプッシュしていきたいと思っています。
価格高騰へどう取り組む? シャオミの考え
――メモリー価格の高騰などで既存機種の値上げも発表されるなか、今回の新機種の価格設定は早期購入割引も含めて、かなり抑えられているように見えます。この価格に対する考え方を教えてください。
安達:利益率を5%に抑えるというお約束もそうですし、「Innovation for everyone」の思想もそうですが、コストに対するシャオミのスタンスはこれまでと1ミリも変わっていません。今回も、期間限定の早割価格を設定するなど、かなり切り詰めているのは事実です。最近発売された他社製品と比較していただけば、その値ごろ感をお感じいただけると思います。
一方で、半年前とか1年前の製品と比べると、前提条件が違ってきているのはその通りで、先日も一部製品の値上げを発表しました。REDMIシリーズに関しても、かつては6万~7万円で買えたものが、今回は7万~10万円近くになっています。前提条件が違ってきているとはいえ、お客様はその価格に見合うだけの価値を期待されます。カメラ性能やパフォーマンスもありますが、買い替えの平均サイクルが4.5年、中には6年ほど使う方もいるなど長くなる中で、長期間安心して使えることもひとつの価値になってきています。家計も大変ななかで選んでいただくのだから、日々の中でも長く使えて、ライフサイクルとしても安心して長く使ってもらえる製品というのが、我々のユニークさを出せるところかなと思っています。
――「REDMI 17」はエントリーモデルながら、OSバージョンアップ4回、セキュリティアップデート6年対応という長期サポートが打ち出されています。その分コストがかかると思うのですが、これについての考え方も教えてください。
安達:長期サポートについては日本だけでなく、グローバルでもニーズがあります。「REDMI 17」は日本ではエントリーモデルかもしれませんが、グローバルにはこれがど真ん中というところもあります。コストがかかるとはいえ、当然サポートもしっかりやっていかなければなりません。そうすることで、お客様が買われたあとの満足度も違ってくると思います。
シャオミというブランドの持つ安心感は、品質に裏打ちされていると思います。品質について安心して買っていただき、万が一トラブルがあった時もしっかりサポートしていく。これは、シャオミとして大事にしていかなければいけないところです。
たとえば「REDMI Note 17 Pro Max 5G」は、2年間の画面割れをサポートしていますが、これをサポートできるのは“割れない”という自信の裏返しでもあります。3年間でバッテリーが80%未満になったら交換する、というのもそうです。こういった約束は日本だけではなく、他の国でも行われていますが。国によって条件はいろいろ違います。また、これができるのは、キャリアモデルではなくSIMフリーモデルだから、という側面もあると思います。
――バッテリーが長く使える製品を投入することで、買い替えサイクルがさらに延びる可能性があります。今後の端末の販売への影響は考慮されていますか。
安達:そこは考えていませんし、本当に長く使ってもらいたいなと思っています。SNSでも長く愛用いただいている声を伺うと、素直に嬉しいんですよね。当然、ビジネスという観点だと売上が、というのはありますが、それだけじゃない部分がシャオミのユーザーコミュニティを作っていると思いますし、スマホを買い替えなくても、その間に他のものを買ってくれるかもしれませんし。
――10000mAhについて「一番手を取りたかった」という話がありましたが、ラインナップを見ると、意識的にエッジの立った(尖った)製品を投入している印象を受けます。こうした点は意識されているのでしょうか。
片山:POCOというブランドでいうと、若くテッキーな方々がファンとして非常に多い。私もガジェットが好きなので、すごくよく分かりますが、やっぱり“初搭載”とか“ナンバーワン”とかが好きなんですよ。昨年の「POCO F8」シリーズでは、全体のコスト面とか直近の売上げ、在庫の状況などを総合的に判断して、最上位モデルの「POCO F8 Ultra」を出さなかったんですが、この機種にはBOSE監修の2.1chステレオスピーカーに加え、背面にサブウーファーが搭載されていて、SNSでは日本で買えないのが残念だ、という声をたくさんいただきました。そこで「POCO F9 Ultra」では、日本初のサブウーファー搭載スマートフォンとして投入します。我々としてはそういったお客様の声を意識したラインナップを、これからも考えていきたいと思っています。
安達:シャオミが好きで応援してくださる方は、高スペックモデルを選ぶ傾向があります。コストを鑑みつつもその方が満足できる、将来的に長く使えると考える方が多いのだと思います。商品にもよりますが、カラーもヒーローカラーとか、特徴的なカラーに販売比率が寄るケースもあります。我々としてはニュース性もそうですが、そういうちょっと元気のあるシャオミを応援してくださる方に対して、ラインナップをしっかり揃えていきたいと考えています。
シャオミストア、今後の展開はどうなる?
――シャオミストアについて伺います。7月には名古屋も出店されましたが、現在のショップ全体の動向と今後の店舗展開についての考え方を教えてください。
安達:おかげさまで、秋葉原のサービスセンターを含めて、この1年半ほどで11店舗まで店舗を拡大できました。数を増やしていくというフェーズは一旦落ち着いて、今はスタッフの習熟度であったり、お客様へのご提案であったりという、サービスの質を高めていく取り組みをしている段階です。
そういった取り組みを経て、今後シャオミ・ストアをどう展開していくのか、どんな商品を扱っていくのかというところも、また改めてご紹介できると思います。大型家電の投入については、これも楽しみにしていただいているんですけど、配送であったりとか、リサイクルのいろんな仕組みとか、まだ詳細を詰めていかないといけないポイントがたくさんありまして、引き続き検討中です。
――ウェアラブル製品は、店頭での主力商品の一つになっていると思います。今回、複数の製品が投入されましたが、これもシャオミ・ストアの商品拡充のためでしょうか?
安達:実は、ラインナップ自体は増えていなくて入れ替えなので、店頭での品揃えという意味では大きくは変わらないと思います。ただ、単一ブランドでここまでラインナップが密にあるのは珍しいので、接客の際にはそこをしっかりご案内するようにしています。店頭にはウェアラブル専用のコーナーを設けていて、そこでしか展示していないアクセサリー類も試していただけるようになっています。
片山:実際に着けて体験してみたい、というお客様も多いので、バンドを実際に付け替えてその場で体験できるようにしているのですが、これが好評です。ウェアラブル製品をきっかけに、シャオミのファンになってくださる方も少なくありません。
安達:大型家電のような形での接点づくりが難しい中、スマートフォン以外でお客様との接点を作るという意味で、ウェアラブルは引き続き重要な役割を担っていくと思います。



