第98回アカデミー賞国際長編映画賞の台湾代表に選出されたツォウ・シーチン監督の『左利きの少女』(2026年8月14日公開 配給:スターキャットアルバトロス・フィルム)の本編映像とメイキング写真が公開となった。
『左利きの少女』は、台湾出身のツォウ・ シーチンの単独監督デビュー作。第98回アカデミー賞国際長編映画賞の台湾代表に選出され、ショートリスト入りを果たしたほか、第26回東京フィルメックスでは観客賞を、第20回ローマ国際映画祭では最高賞を受賞するなど、各国で広く支持を集めてきた。
ツォウ・ シーチンは、本作で制作と編集を務めているショーン・ベイカーとの協業でも知られている。ツォウ監督は、大学生時代にショーン・ベイカーと出会い、『テイクアウト』(2004)で共同監督デビュー、以降はプロデューサーとして『タンジェリン』(2015)、『フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法』 (2017)、『レッド・ロケット』(2021)などで彼を支えてきた。
ツォウ監督の出身地である台湾・台北に実在する「通化街夜市(臨江街夜市)」でロケーションが敢行された本作は、5歳の左利きの主人公・イージン(ニーナ・イエ)が祖父から「左づかいは悪魔」と叱られたことに端を発している。実はツォウ監督自身も「元」左利きの少女で、祖父に右手を使うように助言を受けた実体験を基にしている。撮影には『タンジェリン』同様、全編をiPhoneが使用。
賑やかな喧騒と色彩豊かな都会の片隅に暮らすシングル・マザーの母親(ジャネル・ツァイ)、姉(マー・シーユエン)、そしてイージン(ニーナ・イエ)の3人。厳しい生活のなか、困難を乗り越えようと奮闘する姿を、幼いイージンの目線を中心に据えてエネルギッシュかつ繊細に活写した本作は、人間の清濁を飲み込んだ家族ドラマとして共感を呼び、思いもよらないサプライズと感動をもたらす。ベイカーに強く勧めたことで『タンジェリン』が生まれたように、ツォウ監督はiPhoneを駆使して街の奥へと自在に入り込み、そこで生きる人々の日常を立ち上がらせた。古いしきたり、世代間のギャップ、「左利き」をモチーフとした制約……。パーソナルな物語に文化的・社会的背景を織り交ぜながら、自分らしさを肯定する、温もりの感じられる作品に昇華させている。
この度公開となった本編映像は、主人公・イージンが、姉のイーアンに学校から送り届けられ、母・シューフェンの経営する麺屋台へと向かう夜市の入り口から始まる。台北のランドマークである地上101階建ての高層ビル「台北101」から徒歩圏内に位置する、実在の「通化街夜市(臨江街夜市)」の屋台を借りて撮影した街並みを、楽しそうに駆け巡るイージンに誘われ、iPhoneが捉えた台北の夜市がめまぐるしくスクリーンを覆う。まるで遊園地の中を散策しているかのような臨場感にあふれるシーンの連続だ。母の店の隣で商売をするジョニー(ホアン・ドンフイ)に呼び止められるイージンは、その抜きん出た愛らしさで客の呼び込みに協力する。リアリティに満ちた、賑やかな台北の夜市を映し出すシーンにあって、ニーナ・イエ演じるイージンの魅力が一層際立つ本編映像となっている。台北・夜市の息づかいを感じ、通化街夜市を観光した気分にもなれることだろう。
あわせて公開となったメイキング写真は、今回撮影に使われたiPhone 13 Pro Maxをチェックするツォウ・シーチン監督と、その傍らに集うキャストのニーナ・イエとマー・シーユエンらの姿を押さえたもの。それぞれが興味津々といった表情でスマートフォンを覗き込み、和気藹々とした撮影現場を表す貴重な1カットだ。
■ストーリー
台北、夜市・麺屋台。5歳のイージン(ニーナ・イエ)は、借金を背負ったシングル・マザーのシューフェン(ジャネル・ツァイ)と ハイティーンの姉イーアン(マー・シーユエン)とともに生活を立て直すべく田舎町から舞い戻る。ある日、昔気質の祖父に利き手である左手を"悪魔の手"とそしられ、罪悪感を抱きはじめたイージン。その悪魔の手は図らずも、家族それぞれがひた隠しにする《罪》をあぶり出していく――。
■出演者
イージン:ニーナ・イエ
イーアン:マー・シーユエン
シューフェン:ジャネル・ツァイ
■スタッフ
監督:ツォウ・シーチン
脚本:ツォウ・シーチン、ショーン・ベイカー
製作・編集:ショーン・ベイカー
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