写真の「空間シーン」とは、iOS 26で導入された疑似的な立体表示機能です。かんたんにいうと、通常の方法で撮影した写真/静止画を立体的に見えるよう加工する技術で、写真アプリで空間シーンボタンをタップするだけで実行できます。
iPhoneで特別な機能を使わず撮影した写真は、使用したカメラ/レンズの解像度にあわせて保存されます。iOS 26が対応するiPhoneであれば、明暗差の大きい被写体も無理なく残せるHDR写真として記録されます。
その通常の方法で撮影された写真は、2次元(2D)のデータであり、立体的に映し出すためのデータは含みません。しかし、空間シーンの機能を利用すると、傾けると絵柄が変わるレンチキュラー写真のような効果を通常の方法で撮影された写真から生み出せるのです。
空間シーンの活用方法は人それぞれ、被写体の特性に応じて自由自在ですが、料理など被写体との距離が近い写真でなく手前の被写体と背景の距離があいている写真を対象にすると、より遠近感が出やすくなります。たとえば、水しぶきをあげて走るボートから遠くの島を撮影した写真は、iPhoneを前後左右に動かすたびに手前の水しぶきと島の位置関係が変わり、なんの変哲もない写真に奥行きがくわわります。
ただし、画素数が少ない写真やスクリーンショットは処理対象外と判定されるため、空間シーンボタンが現れません。表示されるエリアは若干狭められ、HDR効果も失われてしまうため、写真の質感も変わってしまいます。処理後の写真を書き出しパソコンなど他のデバイス上で表示することもできないので、iOS 26だから経験できる新しい写真の楽しみかた、といえるかもしれません。
