インターネットイニシアティブ(IIJ)は2月12日、IoT機器向けeSIMの新規格「SGP.32」の実証実験を実施し、その有効性を確認したと発表した。
スマートフォンやタブレットなどの個人向けデバイスで使用されていたコンシューマeSIMは、利用者がデバイスの操作画面からeSIMを設定する仕様となっている。今回実証実験を実施したSGP.32は、デバイスを直接操作せずにリモートでeSIMの操作が行える仕組みを導入しており、操作画面のないIoT機器でもコンシューマeSIMの利用が可能となる。
この新しい仕組みにより、 例えば、IoTサービス提供事業者が国外でIoT機器を製造する場合、出荷試験では製造国のeSIMを使い通信テストを行ったのち、完成品出荷先の国や地域では、機器に触れることなく任意のタイミングでその国や地域のeSIMに入れ替え通信サービスの利用が可能となる。これにより、IoTサービス提供事業者の利便性が大幅に向上するという。
今回の実証実験では、設置環境に応じて適切なeSIMをリモートでダウンロードできること、スマートフォンとのペアリングなしでIoT機器単体でeSIMが有効化・動作すること、初回プロファイル(ブートストラップ)必須機能の検証確認を実施した。
評価結果により、モバイル通信のみの環境でもeSIMの管理操作が可能であり、この規格がIoT機器へのモバイル通信導入に有効であることが確認された。また、初回プロファイルに要求される機能を確認しており、今後、製品・サービスとして提供するにあたっての初回プロファイルの設計に役立てていくとしている。
IIJは今後、製品・サービス展開に向け、従来の物理SIMでは対応が難しいニーズにも応えるべく、技術検証を進めていく計画だ。