Xiaomiのサブブランド「POCO」から、「POCO X」シリーズの最新スマートフォン「POCO X7 Pro」が登場しました。ゲーミング性能を重視した高性能スマートフォンながら、驚くほどのコスパを実現した期待の端末、その実力をチェックしました。
ハイエンドに匹敵するパフォーマンス
「POCO」シリーズは、ポップなカラーリングを採用したモデルやコストパフォーマンスの高さなど、どちらかというとやや若者向けを目指したブランドです。その中でも「POCO X」シリーズはミッドレンジの位置づけで、パフォーマンスの高さが特徴です。
最新モデルの「POCO X7 Pro」は、日本で初めて登場する同シリーズで、シリーズ最上位モデルが投入されることとなりました。グローバルでも1月に発表されたばかりで、それが早くも国内投入。日本独自のFeliCaなどの仕様はありませんが、メーカー端末として家電量販店やMVNO、ECサイトでの販売となり、価格は49,980円からというコスパに優れたモデルです。
SoCはDimensity 8400-Ultraを採用。ハイエンドではありませんが、性能とコストのバランスが良さそうです。メモリとストレージは、8GB/256GB、12GB/512GBの2モデルがあり、価格がそれぞれ49,980円と59,980円となっています。
ディスプレイは6.67型で2,712×1,220ドットの有機ELのCrystalResディスプレイを採用。最大輝度は3,200nits、リフレッシュレートは最大120Hz、タッチサンプリングレートは480Hz。「ゲームターボモード」がオンの場合、2,560Hzのインスタントタッチサンプリングレートをサポートします。
本体サイズはカラーによって異なり、約160.75×75.24×8.29mm、195g(ブラック、グリーン)、約160.75×75.24×8.43mm、198g(イエロー)となっています。バッテリー容量は6,000mAhで、90WのXiaomiハイパーチャージをサポート。OSはAndroid 15をベースとしたXiaomi HyperOS 2。
MediaTekのDimensity 8400-Ultraを採用したことで、パフォーマンスを高めながら価格を抑えています。デュアルSIMにも対応しますが、eSIMではなく物理SIM×2、Wi-Fi 6止まりといった辺りは多少コスト削減の影響があるかもしれません。
Dimensity 8400-Ultraのパフォーマンスに関しては、ベンチマークテストで検証してみました。
POCO X7 Pro | Xiaomi 14T Pro | ||
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SoC | MediaTek Dimensity 8400-Ultra | Dimensity 9300+ | |
3Dmark | Wild Life Extreme | 4,039 | 4,028 |
Wild Life | Maxed Out | ― | |
Solar Bay | 6,513 | 6,396 | |
Steel Nomad Light | 1,420 | 1,449 | |
SlingShot | Maxed Out | ― | |
SlingShot Extreme | Maxed Out | ― | |
PCMark | Work 3.0 | 14,494 | 15,206 |
GeekBench | Single-Core | 1,575 | 2,157 |
Multi-Core | 6,430 | 7,016 | |
GPU(OpenCL) | 11,110 | 12,420 | |
GPU(Vulkan) | 12,084 | 14,371 | |
GFXBench | マンハッタン3.1 | 6,868 | 6,848 |
マンハッタン3.1オフスクリーン | 10,781 | 9,756 | |
Aztec Ruins OpenGL High Tier | 3,846 | 4,949 | |
Aztec Ruins Vulkan High Tier | 3,907 | 4,516 | |
Antutu | トータル | 1,524,235 | 1,935,921 |
CPU | 345,440 | 453,848 | |
GPU | 505,471 | 769,242 | |
MEM | 368,041 | 393,862 | |
UX | 305,283 | 318,969 | |
AITUTU | 153,211 | 205,588 |
Dimensity 9300+を搭載したXiaomi 14T Proの結果と比較してみると、テストによっては近い結果を出しており、十分なパフォーマンスという印象。それでありながら5万円を切る価格はコスパの高さが光ります。
高いゲーミング性能
デザインは、背面がツートンカラーでカメラが縦に2つ並ぶデザイン。特にイエローモデルはポップな印象ですが、試用したブラックモデルは少し落ち着いて年齢を問わないデザインでしょう。
IP68の防水防塵性能は、「POCO」製品としては初めて。使いやすさに繋がるため大きな機能追加でしょう。
「POCO」自体はゲーミング向けだけのブランドではありませんが、「POCO X7 Pro」はゲーミング性能を重視。「WildBoost Optimization 3.0」を「POCO X」シリーズとして初めて搭載してゲームプレイ時のフレームレートを安定させ、ディスプレイ輝度やパフォーマンスを高めたり、「LiquidCool Technology 4.0」による冷却システムで長時間のゲームでも安定させたりといった配慮もされています。
「POCO X」シリーズ最大という6,000mAhというバッテリー容量も見逃せないポイントですが、1,600回の充電サイクル後も80%の容量を維持するという長寿命設計もアピールされています。スマートフォンの利用年数が延びている中、安心感もあります。