Ubisoftが手掛ける「アサシンクリード」シリーズの最新作『アサシンクリード シャドウズ』。PlayStation 5(PS5)、Xbox Series X|S、Ubisoft+、Amazon Luna、PC(Steam / Epic Games Store / Mac App Store / Ubisoft Store)向けに、2025年3月20日の発売が予定されている。
本作の発売に先駆けて、2月6日、シリーズファンを招いた記念イベント「『アサシン クリード シャドウズ』ショウケース in 京都」が京都・南座で開催された。
島袋美由利さん、田村真さん、岩中睦樹さんら日本語吹替版の声優陣によるトークとゲーム本編のデモプレイ、本編出演が明らかになった新田真剣佑さんの登壇、俳優の伊澤彩織さんとダンテ・カーヴァーさん扮する奈緒江と弥助のフォトセッションなど、盛りだくさんの内容だった本イベントの模様をお送りする。
オザン・コチョール社長「このタイトルほど愛おしく、誇らしく思えるタイトルはなかった」
オープニングアクトはゲーム本編に登場する墨絵の実制作を担当している墨絵画家・涌井陽一氏によるライブペインティング。ものの数分で弥助と奈緒江の輪郭が浮かび上がる筆さばきは圧巻の一言だ。
1つのミスも許されない緊迫した空気の中で、バックの生演奏が徐々に激しさを増す。すると、花道から面をつけた女性と龍のような怪物が登場。「石見神楽 万雷」による演舞が始まった。
演目は「大蛇」のようだ。須佐之男命(スサノオノミコト)が稲田姫を八岐大蛇(やまたのおろち)から助ける有名な場面で、派手な動きが多く、見応えたっぷり。スサノオノミコトが次々と大蛇の首を討ち取っていく。この大蛇、ウネウネとした動きもすごかったが、なんとギラギラと光りだした。観客の誰もが予想外だったのか、光った瞬間に会場からはどよめきの声があがった。
なお、神楽が行われているなかでもライブペインティングは同時進行で続く。周囲を大蛇やスサノオノミコトが暴れまわっているにも関わらず、墨絵を描き切った涌井氏の集中力よ!
迫力のパフォーマンスのあと、ユービーアイソフト(Ubisoft ジャパン)のオザン・コチョール社長が登壇。本作について「あえて“子”と表現させていただきます」と前置きしつつ、「この子は正直に申しまして、とてもとても手のかかる子でした。しかし、手のかかる子ほど愛おしいもの。このタイトルほど愛おしく、誇らしく思えるタイトルはなかったです」と思いを述べ、スタッフやファンに対する感謝を語った。
続いて登壇したエグゼクティブ・プロデューサーのマーク・アレクシ・コテ氏は「日本を舞台とするアサシンクリードは長年の夢だった」とコメント。「日本の歴史の豊かさは、そのすべてをゲーム内で表現しきれるものではありませんが、私たちが作り上げた世界を作品でお楽しみいただけることを願っています」と述べつつ、「日本が開発チームにもたらしてくれた感動に、心からの感謝の気持ちを伝えたい」と締めた。両氏の挨拶後には、ステージに樽酒が登場。開発陣を交えて、鏡開きが執り行われた。
無事に運が開いたところで、コラボグッズの発表へ。1つは創業およそ300年にもなる京都の老舗酒造「松井酒造」とのコラボによるオリジナル日本酒。現在、予約受付中で発売は3月10日から。鏡開きに使われた樽酒もこの日本酒で、会場内で振る舞い酒として配られた。
もう1つは、歴代の人気キャラクターを網羅した「フレーム切手セット」。こちらは「郵便局のネットショップ」などで受注販売受付中だ。
さらに、メディアミックス展開として、ヤンマガWebで本編の前日譚を描く『アサシン クリード シャドウズ 伊賀の物語』が連載されることが発表された。連載開始は3月20日。本編の発売とあわせてゲームの世界観をより深く楽しむことができそうだ。
トロコン経験者も!? 日本語吹替版声優陣のトークセッション
続いて日本語吹き替え版の声優陣が登場。主人公の奈緒江役・島袋美由利さん、主人公の父親である藤林正保役・田村真さん、隈部氏家役・岩中睦樹さんによるトークセッションが行われた。
オファーの知らせを受けた日がまさに自身の誕生日だったという島袋美由利さんは「本当にプレゼントのように感じて、奈緒江ちゃんとのご縁を大事にしたいなと思った」と当時を振り返りつつ、奈緒江の演技について「選択肢によっては、色々なキャラクターとのロマンスの香りがするシーンもあります。そういうシーンでどこまで彼女の可愛らしさを出すか、暗殺のシーンでどこまで己を殺すか、場面ごとの塩梅が難しかった」と、さまざまな顔を覗かせる奈緒江の複雑な魅力を表現する難しさについて触れた。
同じく演技のポイントについて田村真さんは、主人公の父として娘を戦場に送る苦悩に触れながら「里を守るため、一族を守るために戦う男ですが、一番守りたいのは娘の命。多少飛躍した解釈かもしれないですが、このキャラクターの本質はそこにあると想像しながら演じました」と語った。
隈部氏家を演じた岩中睦樹さんは本作の出演にあたって感動のあまり「言葉が出なかった」とコメントする。実は岩中さん、シリーズ全作品をトロフィーコンプリートしている猛者。会場ではゲーム本編のデモプレイでその腕前を披露した。
鈴や口笛を使って敵を物陰におびき寄せて暗殺するなど、経験者っぷりをいかんなく発揮する岩中さんだったが、焦りからか敵に見つかってしまいあえなくゲームオーバーという場面も。熟練のプレイヤーであっても一筋縄ではいかない攻略の奥深さが伝わってきた。
プレイを終えた岩中さんは「途中から真顔だった」と自身の夢中ぶりに苦笑しつつ「やりごたえがあって、ワクワクする」と感想を述べた。
自身が演じた奈緒江の音声を大画面で目の当たりにした島袋さんは「自分の体まで痛くなりそう」とコメント。普段ゲームをプレイしないという田村さんは「人がプレイしているのを見るだけでも楽しい。これからも見る専門で……」と言いかけ、「嘘です。やります」と本作のプレイ予定を宣言した。
「源之丞」を演じた新田真剣佑さんは「激しく殺し合うのが好き」
本イベントを締めくくるスペシャルゲストとして登場したのは新田真剣佑さん。本編では主人公の仲間となるキャラクター「源之丞」(げんのじょう)のフェイスモデルおよび声優を担当する。バイリンガルでもある新田さんは、日本語版と英語版の声優を務めているとのこと。すごい。
新田さんもまたシリーズ作品に触れてきたゲーマーらしく、オファーについて「めちゃくちゃうれしかったです」と目をキラキラさせながらコメント。しかし、まだ本編の映像を見ることすら叶っていないらしく「本当にプレイしたいです、もう!」と、出演者としてよりも、いちプレイヤーとしての思いを吐き出した。
アサシンクリードのプレイスタイルについて聞かれると、「激しく殺し合うのが好きですね」と返答。「(芝居の)役でもゲームでも人を殺めてきているので。たくさん」と屈託のない笑顔で続けるも「あんまりよくないな」と省みて、「激しいアクションが好きです」と訂正した。最後に「チームの一員として迎えていただいて、一緒に旅ができればと思います」とユーザーに向けてメッセージを送った。
貴重なグッズ人気俳優による迫真のコスプレも!
ステージプログラムのほかに、コラボグッズの展示や試遊台も用意されていた本イベント。展示コーナーでは、ヒドゥンブレードや弥助の兜のレプリカ、オリジナルスカジャン、墨絵画家・涌井陽一氏のコラボ作品など非売品を含めたさまざまなグッズが並んでいた。
また、展示コーナーではコスプレの撮影も行われた。「ベイビーわるきゅーれ」シリーズなどで人気沸騰中の俳優/スタントパフォーマーの伊澤彩織さんが奈緒江に、ソフトバンク社のCM「白戸家シリーズ」の出演で一世を風靡したダンテ・カーヴァーさんが弥助に扮して登場。キャラクターのイメージにぴったりのポーズを決めてくれた。
ステージパフォーマンスにコラボの情報解禁、出演者によるトークショーと充実の内容であっという間に時間が過ぎた当日。岩中睦樹さん、新田真剣佑さんら出演者がシリーズファンとしての思いを語った場面をはじめ、本作に関わった人たちの熱量を感じられるイベントだった。いよいよ間近に迫ってきた本作の発売を座して待ちたい。