イベント開場前には、島袋美由利さん、田村真さん、岩中陸樹さんへのインタビューが行われた。その模様をお届けする。

――オファーを受けたときの気持ちをお聞かせください。

島袋さん:お話をいただいた日が自分の誕生日だったので、プレゼントをいただいたような気持ちでした。また、舞台が日本ということで、どういう物語が紡がれていくんだろうとすごく楽しみでした。

田村さん:声優が仕事の連絡を受けるときにはゲームタイトルが伏せられていることも多いのですが、本作は最初から「アサシンクリードシリーズ」であることや、役どころについて聞かされました。いい役なんだろうなと期待しました(笑)。

岩中さん:「アサシンクリード」シリーズは元々ファンでした。いつか忍(しのび)が出るだろうと以前から予想していたので、本作でやっと出たと思っていたところにオファーをいただいて、すごくうれしかったですね。

――収録で大変だったことはありますか?

島袋さん:奈緒江は復讐を糧に生きている忍なので、復讐する相手に出会ったときの爆発力については何も考えずに演じられたのですが、一方で、普段の行動で奈緒江自身の気持ちを出すか、忍として徹するかという判断が難しかったです。

田村さん:大変だったこと……。ないですね(笑)。

島袋さん:おおー。

田村さん:粛々と仕事をこなして責任を果たすのみで。強いて言えば、このキャラクターについては調べてもバックボーンがわからない部分も多く、想像で埋めていくところが多かったです。

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    田村真さん

岩中さん:日本語吹き替え特有の収録方法が大変でした。絵がない状態で、波形に合わせて喋るスキルが必要になる収録だったんです。

島袋さん:私も、英語を聞いて波形を見て、そのあとに自分が収録するタイプの収録方法が初めてだったので、そのシステムがわからず戸惑うこともありました。

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    島袋美由利さん

――収録時において印象に残ったエピソードを教えてください。

島袋さん:馬に乗ったり、犬と戯れてみたり、いろんな動物との触れ合いについて、音声のパターンが1つや2つではなく、体感で10パターンほど収録しました。その一つひとつで、英語版と近しい表現になるよう工夫した点が印象に残っています。

田村さん:シーンや役柄についての説明から、ディレクションを担当された方の作品に対する愛情がすごく伝わってきましたね。

岩中さん:本作は日本人にとって馴染み深い時代劇に近い設定。そこから聞こえてくる英語音声に対して日本語の吹替えをあてるというのは、なかなか不思議な体験でしたね。

――戦国時代のキャラクターを演じる上で気をつけたポイントは?

島袋さん:時代というよりは、奈緒江というキャラクターを作っていくうえでの節回しの調整に気をつけました。

田村さん:言葉遣いに関しては翻訳が優れていたので、苦労することはなかったですね。また、子どものころから大好きで見てきた時代劇が血肉となって演技にも自然と活かされたところがあったかもしれません。

岩中さん:いわゆる“名乗り”は役者として1回はやってみたいと思っていたので、そこは力を入れました。

――島袋さんから見た奈緒江の魅力はどこでしょうか?

島袋さん:普段は復讐が一番大事で内面を閉ざしていることも多い彼女ですが、仲間と日常生活を送る中で、素の部分が垣間見えるシーンが度々あって。そういう一面を見せてくれるところが一番の魅力だと思います。

――島袋さん自身と似ているところもありますか?

島袋さん:ないですね(笑)。

田村さん:奈緒江は暗殺者ですからね。

島袋さん:殺しを覚えてないですし、隠れることもまだできないので。これからちょっと何か身につけちゃうかも。

岩中さん:身につけたらまずいでしょ。

――シリーズ作品をトロフィーコンプリートしてきた岩中さん。一番苦戦したトロフィーを教えてください。

岩中さん:『アサシンクリード ブラザーフッド』のマルチプレイでのみ取得できる実績や『アサシンクリード ヴァルハラ』の全ミッションで金メダルを取るという実績は苦労しましたね。

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    岩中陸樹さん

――シリーズファンの岩中さんにとって、「アサシンクリード」シリーズの魅力は?

岩中さん:それを語ると取材が終わらなくなっちゃう(笑)。私は歴史ファンというわけではなくアサシンクリードを通じて歴史に興味を持つようになったくらいで、特に史実上の人物や出来事から着想を得ながらフィクションを描くところや、アサシン教団とテンプル騎士団の長きにわたる対立といった都市伝説めいた設定に魅力を感じます。

――最後に、ユーザーにメッセージをお願いします。

島袋さん:私自身は本編を少しプレイしてもキャラクターを歩かせることもままならないぐらいだったんですが、岩中さんのプレイを見て奈緒江と弥助、それぞれのアクションの楽しさが伝わってきました。皆さんにもぜひ奈緒江と弥助、同じくらいの分量でプレイして楽しんでいただきたいです。

田村さん:僕は普段ゲームをやらないのですが、本作の映像を見て、こんなに進化しているのかと驚きました。僕のようにゲームをやらない人でも映像の魅力から入って本作を始めてみてもらえるとうれしいです。入口にするには難しいかもしれませんけど(笑)。

岩中さん:『アサシンクリード シンジケート』のようなダブル主人公の要素もありつつ、爽快なアクションとちょっと精密な操作が必要になるアクション、どちらもプレイできるのが本作の魅力。シリーズファンの方はもちろん、アクションゲームが好きな方にもプレイしてみてほしいです。

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