米Googleが「Search Labs」(Google検索の新たな取り組みや機能をテストする場)で提供している「Search Generative Experience(SGE)」で、「SGE while browsing」という生成AIを用いた新機能の初期実験を開始した。表示中のWebページの内容を分析して重要なポイントをリスト表示する機能で、情報量の多いWebページや複雑なWebページを効率的に理解できるようにサポートする。MicrosoftがEdgeブラウザのBingサイドバーで提供しているCopilotに対抗する機能といえる。現在US英語で提供されているSGEの使用に参加しているユーザーに、15日から「Google」アプリ(Android、iOS)でロールアウトが始まり、数日中にデスクトップ版のChromeブラウザでも利用できるようになる。
Googleアプリでは、SGE while browsingを利用できるWebページを開いた際に画面下部に現れる[Generate]をタップすると、生成AIがまとめたキーポイントがリスト表示される。リストにリンクボタンがあれば、それをタップすることで、その部分の記事のコンテンツを確認できる。また、リスト表示に続いて表示される「Explore on page」に、記事に含まれる情報に関する質問が表示される。例えば、ルート66の歴史に関する記事では、「ルート66が開通したのは何年?」「ルート66はどこを通っていますか?」といった質問が表示され、タップすると記事の回答を得られる部分にジャンプして、さらに詳しく調べられる。
この機能は、Webで公開されているコンテンツでキーポイントを生成するように設計されており、有料の記事では機能しない。Googleによると、学習や研究だけではなく、新しい料理のレシピを見つけたり、大きな買い物のリサーチといった様々なタスクで役立つという。
ほかにもSGEのアップデートで、回答内での定義の表示を提供し、コーディング情報の表示を改善する。
「定義の表示」は、科学、経済、歴史などに関する検索において、AIが生成する回答で重要な単語や用語の下に点線が引かれ、ユーザーがカーソルを合わせるだけで定義を確認できる。
SGEでは、多くのプログラミング言語やツールのタスクを支援するためにAIが生成した概要を提供しており、アップデートで概要のコードセグメントがシンタックスハイライトで色分けされ、キーワード、コメント、文字列などの要素をより簡単に識別できるようになる。