米Googleは5月25日(現地時間)、Google検索の新たな取り組みを実験する「Search Labs」で、生成AIを統合した新たな検索体験の実験プログラムの一般提供を米国で開始した。

提供が始まったのは「Search Generative Experience(SGE)」「Code Tips」「Add to Sheets」など。同社は開発者カンファレンス「Google I/O 2023」(5月10日)でSGEを披露し、Search Labsを通じた公開に向けて米国でウエイティングリストへの登録受け付けを開始していた。

  • 順番待ちリストに登録できるユーザーには、最新バージョンのGoogleアプリ(Android、iOS)またはChromeデスクトップにLabsアイコンが表示され、そこから簡単に登録を完了できる

SGEは自然言語の複雑な文章をAIが理解し、ユーザーが検索の目的を達せられるように回答を生成する。例えば、家族旅行の行き先を探す時に、「3歳以下の子供と犬を連れた家族には、ブライスキャニオンとアーチーズのどちらを訪れるのが良いか」というように、専門家にアドバイスを求めるように検索することが可能。SGEはユーザーの条件に基づいて両方の国立公園を比較し、「ブライスキャニオンには犬が許可されているトレイルが2つあります」といった情報を含むまとめ(スナップショット)を提供する。また、「子供連れでブライスキャニオンに行くにはどれくらいの時間が必要ですか?」など、ユーザーが必要とするであろう追加の質問も提案する。

「フリーランスになる前に法人化するメリット」というような複雑なトピックに対して要点を整理して理解を深めるのを手助けし、「パスポートの迅速な更新方法は?」「ウールのセーターについた古いコーヒーをシミを取るには?」といった質問には具体的な解決策を紹介、「プールでのパーティに適したBluetoothスピーカー」には商品選びのポイントと注意点を提示するなど、検索を重ねる手間を省き、検索をよりシンプルなものにする。

Code Tipsは大規模言語モデルを利用したインタラクションでコーディングをサポートする。ユーザーは、特定のプログラミング言語(C、C++、Go、Java、JavaScript、Kotlin、Python、TypeScript)、ツール(Docker、Git、shell)、アルゴリズムに関連した質問を投げかけることができ、Code Tipsは問題の解決や理解を助ける役割を果たす。

「Add to Sheets」は検索結果を直接スプレッドシートに挿入できる機能だ。検索で見つけた情報をトピックごとに整理したり、旅行の計画に関する情報をまとめて友人や家族と共有するなど、リサーチの記録や管理に活用できる。