米Googleの開発者会議「Google I/O 2023」が、日本時間5月11日深夜2時からオンラインで配信されました。即日販売開始されたスマートフォン「Pixel 7a」など新しいデバイスから、日本語でも使えるようになった独自のジェネレーティブAI「Bard」まで、発表会で披露された内容から注目トピックをまとめました。

  • Googleの開発者会議「Google I/O 2023」スタート。3つの「Pixel」デバイスから「Bard」日本語対応まで、注目トピックをまとめました

  • Pixelファミリーに、新しいスマホ「Pixel 7a」と「Pixel Fold」、タブレット「Pixel Tablet」が登場(中央から右端)

6.3万円切る「Pixel 7a」発売、Google初の折りたたみスマホや新タブレットも

今回、正式に披露されたデバイスは、Tensor G2搭載の新しいスマートフォン「Pixel 7a」(直販62,700円)、Google初の折りたたみスマホ「Pixel Fold」(同25万3,000円)。新型タブレット「Pixel Tablet」は充電スピーカーホルダー付きで、128GBモデル(同79,800円)と256GBモデル(同92,800円)が選べます。

Google新スマホ「Pixel 7a」発表、Tensor G2搭載で62,700円

Google初の折りたたみスマホ「Pixel Fold」、253,000円で6月20日予約開始

「Pixel Tablet」正式発表! 価格は79,800円から、日本でも5月11日予約開始

  • Pixel 7a

  • Pixel Fold

  • Pixel Tablet

Pixel 7aは5月11日発売で、Googleストアでは既に販売開始。Pixel Foldは6月20日からGoogleストアなどで予約を開始し、7月中旬に発売予定。Pixel Tabletは5月11日に予約受付を開始し、6月20日から販売開始予定です。各製品の特徴や主な仕様など、詳細は別記事で紹介しています。また、発売に先がけて実機を試したレビューやレポート記事も合わせてお読みください。

「Pixel 7a」レビュー - 上位機種との選択に迷うが、バランスの取れたスマートフォン

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  • 3機種とも「Tensor G2」チップを新たに採用

  • TensorチップとAndroid OS、AIの組み合わせで使い勝手をさらに向上

Pixel Foldには、2023年後半の「Android 14」リリースのタイミングで、デュアル スクリーンを活用したリアルタイム翻訳の新機能を追加予定。内側と外側の両方のディスプレイに翻訳内容を表示することができ、会話相手とひとつの画面をのぞき込みながら話す必要がなくなってより自然に、さまざまな言語で会話できるようになります。

  • Pixel Foldの実機デモ

  • 開くとこんな感じ。YouTube動画も大画面で楽しめる

  • 動画と操作UIを2画面で分けて表示させることもできるようだ

  • リアカメラと大画面で、構図をチェックしながらの自撮りもできる

  • 2023年投入が予告されていたPixel Tabletがついにお目見え

NTTドコモが久しぶりにGoogle Pixelシリーズを取り扱うことも注目トピックといえるでしょう。Googleストアでは、5月22日までの期間限定「発売記念パッケージ」や、日本向けの数量限定「赤のエンタメパック」も取りそろえています。

ドコモ、4年ぶりにGoogle Pixelシリーズの取り扱い復活 - 7a/Foldを発売へ、5G n79にも対応

Googleストア、「Pixel 7a」を買うと限定ケースとストアクレジット10,000円分をプレゼント

Pixel 7aにYouTube Premiumが12カ月分ついた「赤のエンタメパック」数量限定で発売

このほか、Pixel 7aのカラーに合わせて、Googleの完全ワイヤレスイヤホン「Pixel Buds A-Series」の新色Seaを追加。Googleストアでは13,700円で、同日5月11日から販売開始しています。

Googleの完全ワイヤレス「Pixel Buds A-Series」に新色Sea、5月11日発売

  • Pixel Buds A-Seriesに新色Seaが登場

待望の日本語対応。対話型AI「Bard」が新LLM「PaLM 2」で進化

  • 生成系AI(Generative AI)を活用し、テキストチャットでさまざまな情報を得られる会話型AIサービス「Bard」

Googleが試験運用中の対話型AIサービス「Bard」が、日本語と韓国語でも利用可能になりました。同社は「おいしい卵焼きを作るためのコツを教えて」、「夏休みの自由研究のアイデアを出して」など、創造性と生産性を高めるパートナーとして「bard.google.com」から試してみてほしい、とアナウンスしています。

対話AI「Google Bard」順番待ち不要に、新言語モデルを導入、日本語にも対応

  • 新たに、日本語と韓国語でも利用可能に

Bardは、大規模言語モデル(LLM:Large Language Model)を搭載した対話型AIで、2023年3月にアメリカとイギリスで公開されました。当初は「LaMDA」(Language Model for Dialogue Applications)と名付けたLLMを用いていましたが、基礎研究と最新のインフラストラクチャに基づいて構築された最新のPaLMモデルである「PaLM 2」へ移行し、性能強化を図りました。

  • 最新の大規模言語モデル「PaLM 2」へ移行

Bardはひとつの質問に対して複数の回答案を提示し、ユーザーは自分のスタイルに合った回答案を複数の候補から選べます。また、別の回答を知りたい場合はBardに新しい回答を生成するよう依頼できます。こうした機能は「Bardが指示に従わなかったり、質の低い回答を生成した場合に便利」とのこと。

  • 生成系AIを用いてGoogle検索の結果を表示するデモ。「坂道のある5マイルの通勤に最適な自転車」(goog bike for a 5mile commute with hills)という一文を検索ボックスに入れて検索すると、一般的な広告表示の下にAIの回答を表示している。ここでは、通勤用の自転車を選ぶときに考慮すべき内容として「デザイン」や「バッテリー駆動」を紹介している

Googleの既存サービスとの連携も強化します。「メールや文書の下書きをBardに頼みたい」という要望が多くのユーザーから寄せられたことから、Bardの回答を直接Gmailやドキュメントにエクスポートできる機能を公開しました。Bardからの回答を、「回答をエクスポート」アイコンからワンクリックで「Gmailで下書きを作成」や「Googleドキュメントにエクスポート」することができるようになっています。また、今後順次、「Googleで検索」アイコンから、Bardの回答をGoogle検索で簡単に確認したり、ウェブ上でソースを探したりできるようになるそうです。

Bardは新たに日本語や韓国語に対応し、今後は40言語に対応予定。また、これまでのウェイティングリストは廃止し、180以上の国や地域に英語版のBardを提供していきます。

英語版の進化ポイントとしては、近日中に公開予定の「質問と回答がより視覚的に表示される機能」もあり、画像を使った質問や回答ができるようになるといいます。

さらに、パートナーの拡張機能を通して、BardがWeb上のさまざまな種類のサービスと連携可能に。Bardは今後数カ月以内にAdobeの生成系AI「Adobe Firefly」と連携することで、自分だけの創造的なアイデアを簡単かつすばやく高品質の画像に変換して編集したり、「Adobe Express」で自分のデザインに追加したりできるようになる予定です。ほかにも細かな進化点として、ダークテーマが新たに加わります。

  • BardとAdobe Fireflyが連携して生成した成果物の例

写真の構図が後から思いのままに、Googleフォト新機能「Magic Editor」

  • Googleフォトの新機能「Magic Editor」を発表

Googleフォト関連では、「Magic Editor」(マジックエディター)と名付けた新たな画像編集機能を発表。2023年後半から、一部のPixelスマートフォン向けに先行提供する予定です。

2015年の登場以来、Googleフォトは機械学習を活用して写真を自動整理したり、任意の場所にある被写体を消せるMagic Eraserなどの高度な編集ツールでを提供してきていますが、新たに生成系AIを活用し、「編集をさらに簡単にするのに役立つ新しい実験的な機能」としてMagic Editorを披露しました。

  • Googleフォトの歩み。機械学習を活用した写真整理から任意の場所にある被写体を消せるMagic Eraser、そして新機能Magic Editorへ

Magic Editorを使うと、被写体や空、背景など、画像の特定の部分に対する編集が行えるため、写真の仕上がりや雰囲気の細かな調整が可能になります。たとえば、写真に本来写り込ませたくなかったバッグのストラップを従来の消しゴムマジックのように消せるだけでなく、空を明るくして曇りの部分を減らしたり、被写体そのものの位置をずらして滝が手のひらに落ちてくるように表現したりすることも簡単に行えるようになるとのこと。

  • 写真の仕上がりを後から修正。元画像は曇り空で、滝の位置は意図したところになく、さらに写り込ませたくなかったバッグのストラップもあるが……

  • 青天の下で、滝の水が手のひらに落ちるような構図に修正できた

また、被写体の位置を変えた後に生まれてしまう空白を埋めるために、新たにコンテンツを作成(本来そこにないオブジェクトを描き加える)することも可能に。同社が公開しているデモでは、たくさんの風船を持った椅子に座る子どもを写真の中央に配置すると、Magic Editorの機能で(本来は写っていない)ベンチや写真を瞬時に描き加える様子を見ることができます。

  • 風船を持つ子どもを写真の主役に編集し直すイメージ

箱庭感あふれるGoogleマップのルート案内新機能「Immersive View」

  • Googleマップのルート案内新機能「Immersive View」

Googleマップには、まるで街を見下ろすかのようなグラフィカル表示ができる「Immersive View」(イマーシブビュー)機能を新たに実装。Googleマップのルート案内を利用するときに、これまで以上に多くの情報を“見える化”できるようになります。

イマーシブビューでは、コンピュータビジョンとAIを活用して何十億ものストリートビューと航空写真を融合させ、世界のデジタルモデルを作成。ルートに沿って歩道や、交差点、自転車レーン(専用道路)、駐車場などを、まるで鳥の視点で見下ろすようなプレビューが行えるようになります。さらに「タイムスライダー」を使って、1日の時間や天気の変化に伴うルートの見え方を調べたり、特定の時間帯の交通量をシミュレーションしたりできます。

  • 鳥の視点で見下ろすようなプレビューで、交差点の道順をチェック

  • 時間や天気も変えられる

この機能は今後数カ月のうちに、東京のほか、アムステルダムやベルリン、ダブリン、フィレンツェ、ラスベガス、ロンドン、ロサンゼルス、ニューヨーク、マイアミ、パリ、シアトル、サンフランシスコ、サンノゼ、ベニスで展開予定です。

“欠航便の料金を全額返して” Gmailがメールを書く新機能「Help me write」

  • スマートリプライ機能から発展し、ついに人の手をほとんど使わず本文を自動生成する機能が登場

Gmailの新機能「Help me write」も発表しました。Gmailでは現在、ワンクリックで短い返信ができるスマートリプライ機能を備えていますが、新たにAIを活用し、入力欄にテキストを打ち込むだけでメール本文を自動生成できるようになります。この機能はまもなく展開予定です。

  • Gmailの新機能「Help me write」

  • 従来のスマートリプライは単純な返信しかできない

同社が公開したデモでは、「ask for a full refund for this canceled flight」(欠航便の全額返金を要求する)と打ち込んでボタンを押すと、冒頭の宛名から締めの挨拶まで、メール本文を瞬時に自動生成する様子をみることができます。再生成やリファインもでき、本文に手を入れる場合には「フォーマルに」「詳細に」「もっと短く」といったAIへの指示を追加することもできるようです。

  • 「ask for a full refund for this canceled flight」と打ち込んでボタンを押す

  • 冒頭の宛名から締めの挨拶まで、メール本文を瞬時に自動生成

  • AIへの指示を追加することもできる

Google I/O 2023ではこれ以外にも、生成系AIを用いたさまざまな新機能や機能強化を紹介しています。詳しくは基調講演の動画や、Google I/O公式サイトをチェックしてみてください。