Samsungの折りたたみスマートフォンの最新モデル「Galaxy Z Fold5」がグローバルで発表されました。従来に比べてヒンジ部がすき間なく折りたためるようになるなど機能を改善。現時点で国内販売は明らかにされていませんが、従来通りキャリア経由で発売されるの間違いないでしょう。

  • 「Galaxy Z Fold5」と「Galaxy Z Flip5」

    同時発表された折りたたみスマートフォンのラインナップ。左が「Galaxy Z Fold5」、右が「Galaxy Z Flip5」

薄型軽量化したボディ

「Galaxy Z Fold5」は、閉じればスマートフォン、開ければタブレットになる折りたたみスマートフォンの第5世代目。従来よりも本体サイズがコンパクトになって使い勝手が向上しています。

  • 「Galaxy Z Fold5」のたたんだ状態

    折りたたんだ状態の「Galaxy Z Fold5」。やや細見のスマートフォン

  • 「Galaxy Z Fold5」の開いた状態

    こちらは開いたところ。タブレットとして縦長

  • 横長画面で利用

    そのまま回転させれば横長のタブレットとしても使えます

  • カラーバリエーション

    Phantom Black、Icy Blue、Creamの3色展開

本体サイズは折りたたみ時で約H154.9×W67.1×D13.4mm、開いた状態でH154.9×W129.9×D6.1mmとなっています。前モデルの「Galaxy Z Fold4」がそれぞれH155.1×W67.1×D15.8mm/H155.1×W130.1×D6.3mmだったので、全体的にコンパクトになっています。

  • 右側面
  • 左側面
  • 上部
  • 底部

    折りたたんだ状態での側面四方。持ってみると薄くなっているのが分かります

  • 右側面
  • 左側面
  • 上部
  • 底部

    開いた状態での側面四方。こちらは従来通りでしょう

特に変化の大きいのが重さと厚みで、重さは263gが253gへと10gの減少。折りたたんだ時の厚みも13.4mmとなり、2.4mmの薄型化。これによって利便性が向上、折りたたんだときに手に持った感覚もより持ちやすくなりました。

  • ヒンジ部

    ピッタリと閉じるようになったヒンジ部。並べてみると見た目のデザインも改善している印象です

  • ヒンジ部を前モデルと比較

    前モデル「Galaxy Z Fold4」(左)と比べたところ。ぴっちり閉じていて一目瞭然

特に厚みに貢献したのがヒンジ(フレックスヒンジ)の改良で、これまでは閉じた状態でヒンジ付近にわずかにすき間があったのですが、これがピッタリとすき間なく折りたためるようになりました。

  • ヒンジの改良

    ヒンジの改良によってピッタリ閉じるようになりました

  • フレックスヒンジの現物

    フレックスヒンジの現物

ディスプレイのピーク輝度は1,300nitsから1,750nitsにアップするなど視認性も向上。7.6型2,176×1,812ドット(QXGA+)のメインディスプレイ、6.2型2,316×904(HD+)のサブディスプレイというディスプレイスペックは従来通りです。

  • 折り目部分1
  • 折り目部分2

    ディスプレイ中央の折り目も従来と大きく変わらない印象です

カメラは50メガピクセルのメイン広角カメラ、12メガピクセルの超広角カメラ、10メガピクセルの望遠カメラという構成も変わらず。UDC(アンダー・ディスプレイ・カメラ)は4メガピクセル、折りたたみ時のインカメラは10メガピクセルで、こちらもスペックは変わっていません。

  • カメラ部1
  • カメラ部2

    カメラは従来通りのトリプルカメラ。出っ張りも同様です

  • フレックスビュー1
  • フレックスビュー2

    カメラを固定して撮影できるフレックスビューももちろん従来通り利用できます

SoCはSnapdragon 8 Gen 2 Mobile Platform for Galaxyとなり、CPUで18%、GPUで32%、NPUで25%と性能が向上しました。内部のベイパーチャンバーが38%大きくなり、放熱処理性能が向上したことで、さらに長時間のゲームプレイなどが可能になったともしています。

  • ベイパーチャンバーは大型化

    ベイパーチャンバーが大幅に大型化しています

手書き入力にも対応しており、メインディスプレイは専用の「S Pen Fold Edition」に対応。Z Fold4の時に用意されていた7.7mmのS Penに比べて4.35mmと56%スリム化したS Pen Fold Editionが用意されます(別売)。

  • Galaxy Z Fold3用のS Pen Fold Editionを使用しているところ

    手書き入力が可能なS Penに対応。これは「Galaxy Z Fold3」向けのS Pen Fold Edition

  • 「Galaxy Z Fold5」用のS Pen Fold Editionとケース

    「Galaxy Z Fold5」用のS Pen Fold Editionとケース。コンパクトになって細くなり、ケースへの装着感も向上しています

  • さまざまなケース

    S Pen対応ケースのカラーバリエーションをはじめ、様々なケースが用意される予定です

付属の「Samsung Notes」アプリに加え、iOSで定番の「GoodNotes」「CLIP STUDIO PAINT」「LumaFusion」といったクリエイティブツールが快適に利用できる点もアピールされています。

  • タスクバー

    画面下部にタスクバーが表示され、マルチウィンドウが簡単に設定できる点も従来通り

  • マルチディスプレイ

    マルチディスプレイではドラッグ&ドロップでファイルを別のアプリで利用することが可能

  • 最大3つのアプリを表示可能

    最大3つのアプリを分割して表示できます

メモリは12GB。ストレージは256GB/512GB/1TBの3モデルが用意され、本体カラーはIcy Blue、Phantom Black、Creamの3色。さらにSamsung.com限定カラーとしてグレイとブルーの2色も用意されます。

  • Icy Blue、Phantom Black、Cream

    通常のカラーはIcy Blue、Phantom Black、Creamの3色

  • Samsung.com限定カラーのグレイとブルー

    Samsung.com限定カラーのグレイとブルー(上段)

OSはAndroid 13ベースのOne UI 5.1.1、IPX8相当の防水性能も備えます。バッテリーは4,400mAhで、5G/Wi-Fi 6Eもサポートしています。

「Galaxy Z Fold3」ユーザーにとっては、薄型化だけでなく、カバーディスプレイの大型化で折りたたんだ状態での使い勝手が向上します。したがって「Galaxy Z Fold3」からのアップデートにはかなり有望ですが、「Galaxy Z Fold4」ユーザーだと大きな違いは感じられないかもしれません。

  • 「Galaxy Z Fold3」との比較

    筆者所有の「Galaxy Z Fold3」との比較。カバーディスプレイのエッジが細くなって画面サイズが大きくなったため、より使いやすくなっています

Googleの「Pixel Fold」も登場して折りたたみスマートフォンの選択肢が増えました。さらに完成度を高めた「Galaxy Z Fold5」の登場によって市場のさらなる活性化に期待したいところです。