スピーカーを得意とする老舗オーディオブランドだけあって、魅力的なBluetoothスピーカーも多かったJBLだが、このごろは完全ワイヤレスイヤホンにおいても、聴き応えのある良サウンドの製品が増えてきている。そんなJBLの最新完全ワイヤレスイヤホンが「JBL TUNE FLEX」だ。

  • クリアボディが特徴の完全ワイヤレスイヤホン「JBL TUNE FLEX」(ブラック)

こちら、AirPodsなどに近い外観を持つ“スティック型”の完全ワイヤレスイヤホンだが、イヤホン本体も専用ケースもクリアボディで中身が見えるシースルータイプのデザインを採用しており、珍しくもかっこいい1台に仕上がっている。直販価格は13,200円。カラーはブラックのほかに、ホワイト、パープルの3色を用意する。

  • イヤホン本体がクリア素材でできており、中の基板などが透けて見える

  • 専用ケースもクリア素材を使用

  • 珍しくもかっこいい仕上げだ

  • 専用ケースの背面

クリアデザインだけじゃない! 2種類の装着感が選べる点も注目

正直、この外観を見ただけで「欲しい」と思える製品だが、TUNE FLEXの特徴はこれだけではない。なんと、イヤーピースを交換することでインナーイヤー型とセミカナル型、ふたつの装着感を使い分けられるのだ。言い換えれば、インナーイヤー型が欲しい人、セミカナル型が欲しい人のどちらにもマッチする製品となっている。

  • イヤーピースを交換することで装着感を使い分けられる。奥がセミカナル型、手前がインナーイヤー型

いま、完全ワイヤレスイヤホンといえばAirPods Proなどのカナル型がメイン。インナーイヤー型やセミカナル型は少数派で、あまり選択肢がない状態となっている(メジャーブランドのなかでは唯一、ボーズがカナル型に近いセミカナル型を採用している)。そういった点で、うれしい製品が登場してくれたといえるだろう。

実際、イヤーピースの部分はよく出来ている。インナーイヤー用がひとつ、セミカナル用が3サイズの合計4種類を同梱していて、インナーイヤー用を装着すると、段差のないスマートなノズル周りとなる。

当然、人によって装着感や落下しやすい、落下しにくいといった使用感は変わるが、シリコン製のイヤーピースがちょっとした滑り止めとなっていたり、楕円形のノズル部分が耳穴近くに落ち着きやすかったりと、比較的良好な装着感を持ち合わせているように感じられた(とはいえ、インナーイヤー型がまったく合わない筆者はすぐに耳からこぼれ落ちてしまうが)。

  • インナーイヤー用のイヤーピースを装着したところ

いっぽう、セミカナル型イヤーピースのほうはというと、耳穴の入口に軽く刺さるというか、乗っかってくれる長さであるものの、楕円形状の恩恵かフィット感は良好。セミカナルですらフィット感を長時間維持できない筆者であっても、机の前で仕事をしている分には、耳から外れたりこぼれ落ちたりすることはなかった。

ちなみに、イヤーピースは3サイズ試してみたが、やや大きめのものが良好だった。普段使うのはSかMSサイズだが、TUNE FLEXはMサイズがピッタリ、Lサイズは大きすぎてかえってこぼれ落ちやすくなった。普段よりもワンサイズ大きめのものからフィット感を試してみるとよさそうだ。

  • イヤーピースを交換した状態でケースに収められる。写真はセミカナル型の場合

  • インナーイヤー型の状態でケースに収めるとこんな感じ

なお、TUNE FLEXにはイヤーピースを収納する専用ケースが付属しており、屋外へ持ち運ぶこともできるようになっている。ながら聴きのときはインナーイヤー、しっかり音楽を楽しみたいときはセミカナルと、シチュエーションによって使い分けたい人はイヤーピースを持ち運んで、積極的に交換するのも良さそうだ。

ただし、筆者などインナーイヤーが苦手な人はセミカナル型としての活用のみとなるので、イヤーピースを持ち運ぶことはない。TUNE FLEXはあくまでもインナーイヤー型とセミカナル型、どちらとしても使える製品という製品コンセプト自体が魅力といえる。

  • TUNE FLEXの製品内容。左下がイヤーピース専用ケース、右下が充電用のUSB-C to Aケーブル

  • 前面に充電ケースのバッテリー残量を3段階で示すLEDが付いている

  • イヤホン用ケースの充電端子はUSB Type-C

音質をチェック。ノイキャンやEQも試した

TUNE FLEXにはスマートフォン用アプリ「JBL Headphones」が用意されており、インナーイヤー型(アプリではオープンイヤーチップと書かれている)とセミカナル型(アプリでは密閉イヤーチップと書かれている)それぞれにマッチしたサウンドに切り替えることができる。加えて、ANC(アクティブノイズキャンセリング)機能は効果の強さを6段階で調整可能。外音取り込みやトークスルー機能も備わっている。

  • スマホアプリ「JBL Headphones」と連携したところ。取り付けたイヤーピースの種類に合わせてサウンド設定を変えられる

ANC機能は最大値(6)にしてもそれほど強くは感じないが、屋外で音楽を邪魔されない、必要充分なレベルは持ち合わせている。もうひとつ、イコライザー機能も備えているが、TUNE FLEXとのマッチングはなかなか良い。インナーイヤー、セミカナルともに(人によっては)低域が弱く感じられてしまうことがあるが、イコライザーの「マイEQ」設定によって、ある程度は自分好みに調整できる。積極的に活用したいところだ。

TUNE FLEXの素の音はというと、ヴォーカルが引き立つ中域重視のバランスを基本としつつ、JBLらしいカラッと晴れた明るい雰囲気の音色と適度な量感の低域を持ち合わせている。そのため、聴きやすさと迫力が巧みにバランスしたサウンドが楽しめる。

重低音モデルではないが、パワフルで勢いがあり、それでいてヴォーカルは自然な声色が楽しい、絶妙なチューニングに仕立てられている。おかげで、J-POPもロックもジャズも、音楽ジャンルの得手不得手なく楽しめる。対応するBluetoothコーデックはSBCとAACのみだが、解像感の不足は気にならず、メリハリの良い表現で楽曲それぞれの楽しさや魅力を存分に楽しめる。

製品デザイン、製品コンセプト、ANCをはじめとする機能性、そしてサウンドと、JBL TUNE FLEXは死角のない出来の良い製品と断言しよう。