カシオ計算機(以下、カシオ)は、電子楽器初心者でも楽曲制作や演奏を楽しめるサンプラー「Portable Standalone Sampler SXC-1」(以下、SXC-1)を4月21日に発表しました。4月21日に予約を開始しており、5月28日に発売予定。カシオ直販価格は39,930円です。
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カシオの最新サンプラー、SXC-1の実機(カシオ サンプラー SXC-1 新製品発表会にて)。カシオ製ということもあり、電卓を思わせる見た目がかわいい。ただしデザイン面のベースは、楽しみながら直感的に操作できる“ゲーム機のコントローラー”を意識したといい、特に電卓は関係ないとのこと
初心者でも「買ってすぐ演奏できる」携帯サンプラー
SXC-1は、「誰でも買ったその日から音楽制作・演奏を楽しめる」ことをコンセプトに開発されたサンプラー。サンプラーとは楽器の音や人の声、環境音などを録音して機材に取り込み、それを加工・再生して楽曲制作に活用できるツールのことです。
SXC-1には1ショットやループ、効果音など208種類の音源を内蔵し、リズムに合わせてパッドを叩くだけで、自然に音楽が奏でられる設計。初心者から既存クリエイターまで誰もが直感的に制作や演奏を楽しめるといいます。
なお音源には、カシオが1980年代に発売した8bitサウンドの電子キーボード「SK-1」や、スレンテン・リディムで知られる「MT-40」の音源を一部収録。名機とうたわれた往年のカシオサウンドが活用できます。
本体は初心者でも迷いにくい、シンプルな設計を目指しました。上部に十字ボタン、ABボタン、録音ボタンなど、そして波形や状態を表示するOLEDディスプレイも搭載し、下部には4×4の16パッドを装備。パッドを叩きながら、作業内容を目で確認できます。
イラストや図解を多用し、ゲーム感覚で音楽制作や演奏の基礎を学べるチュートリアル動画やWebガイドも用意。無料の専用スマートフォンアプリでは、楽曲や波形の編集、パッドを鳴らす操作などが行えるほか、本体のアップデート操作もできます。
主な機能は、録音した音を時間軸に沿って配置し楽曲化するシーケンス機能、異なるテンポ(BPM)の音源を自動で調整するBeat Sync(ビートシンク)機能、再生中の音楽にリアルタイムで効果を加えるエフェクト機能など。入出力端子は下記を備えています。
- PHONE端子:ヘッドホンやイヤホンを接続
- LINE OUT端子:ミキサーやスピーカーに接続して音声を出力
- AUDIO IN端子:外部機器を接続して音源を入力
- DATA端子:スマートフォンとのデータ通信(MIDI/オーディオ転送)用
- POWER/DATA端子:電源供給とスマートフォンとのデータ通信(MIDI/オーディオ転送)用
本体にはマイク・スピーカーも内蔵し、録音から再生までを単体で完結。電源はUSB給電と乾電池の2WAYに対応します。本体サイズはW100×D177×H27mm、重さは315g(電池含まず)となり、持ち運んだ先で音楽制作や演奏が可能です。
目指すは音楽制作の民主化。音楽を作る・披露する喜びを
「より多くの人へ音楽を演奏する喜び、作る喜び、披露する喜びを提供したい」――。
カシオのサウンド・クリエーション事業部 副事業部長の中川潤氏は、カシオ サンプラー SXC-1 新製品発表会で開発の意図をこう語りました。
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左から順に、カシオ計算機 サウンド・クリエーション事業部 商品戦略部 第二戦略室 リーダーの石崎浩輔氏、同サウンド・クリエーション事業部 副事業部長の中川潤氏、MPCプレイヤー、ビートメイカーの熊井五郎さん。なおカシオのサウンド・クリエーション事業部は2026年4月に新設された部となる
カシオが電子キーボードに参入したのは、本流である電卓の技術を応用した流れ。1957年に登場した世界初の小型純電気式計算機「14-A」から、世界初のパーソナル電卓「カシオミニ」(1972年)、腕時計「カシオトロン」(1974年)などを経て、1980年に「カシオトーン」が発売されました。
当時の電子楽器は操作が難解でしたが、「創造貢献」というカシオの経営理念のもと、簡単な操作でさまざまな楽器の演奏を楽しめる、小型軽量でスピーカーも載せた電子キーボードが誕生したといいます。
この理念を受け継ぎ、“エレクトロニクスメーカーならではのものづくり”で生まれたのが今回のSXC-1といいます。
SXC-1の“SXC”はSound(サウンド)×Create(クリエイト)の略。メインターゲットは初心者、サブターゲットとして既存クリエイターを想定しています。サウンド・クリエーション事業部 商品戦略部 第二戦略室 リーダーの石崎浩輔氏は“サンプラー(音楽制作)の民主化”を目標に、「ポータブル」と「スタンドアローン」の2点を追求して開発に取り組みました。
カシオは鍵盤事業で培った自社アセットなどを活かし、既存事業の拡張を進めています。2025年8月にはAI効果音、カシオ楽器音源のサウンド素材提供サービス「Waves Place」を、またライブ配信専用の番組表型スケジューラーサービス「Streamer Times」をリリース。SXC-1はこれに続く新領域プロダクトとなります。
石崎氏は楽曲制作にとどまらず、収益化や継続運営まで含めた同社クリエイターエコノミーの特徴に基づき、クリエイター支援を進めていくとしました。















