ダイソンは3月30日、空気清浄機を備えたヘッドホン「Dyson Zone」をグローバル向けに発表した。2022年秋から一部地域で、同社オンラインストアなどを通じ販売予定。日本での発売は現時点では未定だ。

  • Dyson Zone

Dyson Zoneは、ダイソン初のウェアラブル空気清浄ヘッドホン。ヘッドホンではあるが、主要な機能はハウスダウストや粒子状物質、有害ガスなどを除去する空気清浄機能となり、イヤーカップの中に2層フィルターやコンプレッサーを内蔵し、空気を浄化。顔の下半分を覆うように作られた「非接触型シールド」を通じて、装着者の鼻と口に清浄な空気を送ることができる。

顔と非接触シールドは直接触れないようになっているが、横から吹き込む風の影響を可能な限り受けないような設計になっているという。

  • Dyson Zoneの開発を助けたマネキン「フランク」。医療グレードの人工肺 と、汚染物質の吸引を検知する機能を備え、開発時にはフランクの人工肺に到達する、粒子のろ過効果を測定したとのこと

ヘッドホンとしての詳細な機能は現時点で不明だが、マイクアレイ技術によるアクティブノイズキャンセリングを搭載するほか、“高品質な音響システム”で騒音を遮断するという。イヤーカップにネオジム電気音響システムを内蔵し、集音された音を正確に再生できるよう最適化されているとした。

開発は英国、シンガポール、マレーシア、中国のチームが担当。製品化に6年をかけたといい、500以上のプロトタイプを作成し、人間の呼吸パターンを再現しながらテストを重ねていった。初期段階では、1つのモーターを首の後に配置していたが、Dyson Zoneでは2つのコンプレッサーを、それぞれのイヤーカップへ配置する形に変更。また、当初はシュノーケルのようなマウスピース型だったが、これを非接触型シールドに変更し、顔全体に接触することなく、効果的にきれいな空気を送るメカニズムに進化したとしている。

全体のデザインは乗馬のサドルの形状とデザインから着想を得たといい、頭の上部ではなく側面に重量が分散するように設計。クッションは音の歪みを抑えるほか、フィット感も意識し、従来のイヤークッションより平で、頭から耳の形に合わせて角度を付けている。

  • 開発中のプロトタイプとみられる機材

  • ノイズキャンセリングは、外部からの騒音や、モーターの駆動音を低減するという

  • 今回、ダイソンのエンジニアは初めてオーディオ技術開発に取り組んだとする