確かに、iPhone SE(第3世代)は2020年に発売された第2世代とそっくりな外観です。本体サイズは幅67.3×高さ138.4×奥行き7.3ミリと寸分違わず、ディスプレイも同じ4.7型で解像度も750×1334ピクセルと違いがありません。防水・防塵性能はIP67と変わらず、Touch ID内蔵のホームボタンも違いはなさそうです。

カメラについても、一見では変化がないように映ります。1200万画素の広角カメラ(f/1.8)シングルレンズ小構成と、複眼カメラが一般的な最近のスマートフォンとしては控えめな仕様です。

しかし、高度な演算処理を活かした写真撮影技術「コンピュテーショナルフォトグラフィー」に関しては、第2世代から大きく進歩しています。SoCにiPhone 13シリーズと同じA15 Bionicを採用したことにより、演算性能が格段に向上しているからです。

具体的には、機械学習を応用しピクセル単位で高画質化を図る「Deep Fusion」、被写体の部分ごとに画質調整やエフェクト効果を実施する「フォトグラフスタイル」、ノイズ処理やトーンマッピングが改良された「スマートHDR 4」がサポートされました。前2者はリアカメラだけでなくインカメラでもサポートされるため、セルフィー撮影時にも画質向上効果を期待できます。

つまり、iPhone SE(第3世代)のカメラは光学的な特性では第2世代と大きく変わらないものの、コンピュテーショナルフォトグラフィーにおける性能向上メリットが大きく、写真の仕上がりは改善されていると考えられます。iPhone 13シリーズのカメラと比べれば、光学ズームがない、ナイトモードがサポートされない点で見劣りしますが、Apple Store価格で57,800円というプライスタグを考えれば満足度は高そうですよ。

  • iPhone SE(第3世代)のカメラは第2世代とどう違う?