新しいiPhone SE(第3世代)が話題です。ホームボタン/Touch IDの採用でマスクを装着していてもロック解除できる実用性、4.7インチ/144gというほどよいサイズ感、そして最新SoC「A15 Bionic」。64GBモデルで57,800円(Apple Store価格)というお手頃感もあり、入学・進級を機にスマートフォンの買い替えを検討している層に強くアピールしそうです。

そのiPhone SE(第3世代)、日本の正規ルートで販売されるのは「A2782」というモデル名です、アメリカ/カナダが主対象のA2595や販売対象国/地域がもっとも多いA2783とは異なり、A2782の対象国は日本だけです(リンク)。

モデルによる相違点としては、モバイル通信でサポートする周波数帯が挙げられます。たとえば、A2782がサポートする1.5GHz帯(LTEバンド21)は事実上日本でのみ利用されている周波数帯で、ほかのiPhone SE(第3世代)のモデルでは対応していません。

海外で販売されているモデルを日本で利用することは可能ですが、サポートされる周波数帯の違いによるデメリットがあるかもしれません。前述した1.5GHz帯は、ドコモが地方都市における通信高速化対策に利用しているため、地方在住のドコモユーザにはLTEバンド21をサポートするA2782が有利と考えられます。おもに日本で利用するのなら、特別な事情がないかぎりA2782を選んだほうがいいでしょう。

なお、iPhone 12シリーズや13シリーズでは、米国向けモデルだけが5Gミリ波通信をサポートするという仕様の違いが存在しましたが、iPhone SE(第3世代)はどのモデルも5Gミリ波通信をサポートしません。その意味でも、日本のユーザが日本向けモデルのA2782を選ぶ合理性はあるといえそうです。

  • iPhone SE(第3世代)には日本向けモデルが存在します