三脚やジンバルを使わず、手持ちで撮影すると発生しがちな「手ブレ」。これをうまく防がないと、静止画は輪郭が滲み、動画は手や体の振動が反映された見苦しいものとなります。静止画にしても動画にしても、手ブレは画質/映像品質の大敵です。

確かに、従前に比べiPhone 13シリーズは手ブレしにくい設計になっています。iPhone 12シリーズのときはPro Max限定だった「センサーシフト式手ブレ補正」が、iPhone 13シリーズでは全モデルに採用されているのです。

センサーシフト式手ブレ補正とは、イメージセンサーを動かし光を本来の到達点に届くよう調整する機構をいいます。スマートフォンでは、内蔵のジャイロセンサーで揺れを検知してそれを打ち消す方向にレンズを移動させるレンズシフト式が主流で、iPhoneでも12シリーズ(Pro Maxを除く)まで採用されてきましたが、iPhone 13シリーズから全モデルの広角カメラに採用されました。

センサーシフト式手ブレ補正の効果は強力です。写真を撮影するときには、より明るいレンズを使い露出時間を長くすることが画質上有利とされますが、暗い場所では光量を確保すべくシャッタースピードが遅くなり、手ブレを起こしがち。特に暗い場所での撮影はシャッター速度がより遅くなるため、手持ち撮影が多いiPhoneでは不利です。

だから手ブレ補正機構が必要となりますが、広角領域でより効果が大きいといわれるセンサーシフト式であれば、広角カメラを使う機会が多いiPhoneでの写真撮影では有利と考えられます。レンズシフト式にもメリットはあるものの、基本的に上下左右方向の2軸しか補正できないため、軸を多くとれるセンサーシフト式に軍配が上がります。

  • iPhone 13シリーズは全モデルに「センサーシフト式手ブレ補正」が採用されています