実用的な「テザリングオート」

AQUOS Sense 5Gで先行搭載された「テザリングオート」は、フラッグシップのAQUOS Rシリーズにもやってきました。ユーザーのいる場所に応じて自動でテザリングをオン/オフするという、シンプルながら気の利いた機能です。

テザリングオートは「特定の場所にいるとき」か「特定の場所にいないとき」のどちらかでテザリングをオンにすることができます。一度設定してしまえば、毎回の操作が不要となり、テザリング利用の面倒さが大きく軽減されます。

  • 地味に便利なテザリングオート

分かりやすい用途で言えば、自宅と職場ではWi-Fiを使い、移動中はスマホのテザリングで通信している人なら、テザリングオートが実用的です。普段はテザリングを使わない人でも、たとえば一時的な派遣先など、特定の場所でテザリングを使う機会があるなら活用できるでしょう。

電池持ちも十分

バッテリー容量は5,000mAhと過去最大クラスで、USB PD 3.0の急速充電をサポート。充電に関しては「給電モード」というユニークな機能も備えています。これは電源につないでも、画面点灯時はバッテリーを充電しないというもの。

たとえばゲームをプレイしている際にバッテリーの発熱によるパフォーマンス低下を防ぐことができます。バッテリー寿命を伸ばす上でも、効果的な仕組みと言えます。

性能は間違いなく最上級

スマホとしての基礎体力については、「間違いない」とだけ述べておきましょう。チップセットはクアルコム「Snapdragon 888」で、メモリは12GB(LPDDR5 RAM)を搭載し、ストレージはUFS 3.1対応と、現世代のスマホとしては最上級のスペックを備えています。

ストレージ容量は128GBと、前世代のAQUOS R5Gと比べて半減していますが、最大1TBまでのmicroSDカードが使えるため、支障を感じることはないでしょう。おサイフケータイや防水・防じん仕様にも対応しています。

5Gは6GHz以下の新周波数帯と4G LTEからの転用周波数帯をサポート。高速な通信が期待できるミリ波帯は非対応ですが、ミリ波のエリア展開は現状では極めて限られているため、体感での違いを感じることはほぼないでしょう。

なお、NTTドコモ版のAQUOS R6はau・ソフトバンクの5G新周波数帯(バンドn77)をサポートしていますが、ソフトバンク版のAQUOS R6はドコモ・auのバンドn78には非対応となっています。ソフトバンク版を購入後、別のキャリアで利用する場合は5Gに繋がりにくくなる可能性があります。

エッジディスプレイはやや使いにくい

今回新たに取り入れられたエッジディスプレイには、没入感が得られるという視覚的効果がある一方で、正確な表示や操作性においてはマイナス要素もあります。

AQUOS R6のエッジディスプレイはゆるやかな曲線を描いているため、画面左右の表示が見づらく感じました。たとえば、横幅のマージン(余白)を狭めに設定しているWebページを表示したとき、側面に近い位置にある文字がエッジ部分の光の反射で見えづらく感じます。

  • 握るような持ち方では誤タップが起きがち。Chromeを「ゲーム」として指定すれば誤タップ防止機能を適用できる

それ以上に気になるのが、スマホを握るようにして持ったとき、側面を誤ってタップしてしまうこと。片手で持ちでWebサイトやSNSの画面をスクロールしようとしたときに、意図しない誤タップが生じて著しく不便です。ただし、誤タップは対策があります。両手持ちで使えば、ほぼ気にならないレベルに低減できます。

片手持ちにこだわるなら、本体の側面から手をひっかけて、カメラの出っ張りに中指をかけて支える持ち方をすると、エッジの誤タップを減らせます。この持ち方は、約207gというスマホとしては重めな本体を腕に負担をかけずに持てる持ち方でもあります。

本体設定から対策する手段もあります。ゲーミングメニューの中にある「エッジコントロール」の設定を有効にすると、エッジ部のタップを検出しなくなります。ChromeやTwitterのような縦スクロールが多いアプリは、この対策は特に有効です。なお、このエッジコントロールを設定する場合、SNSやブラウザーでも「ゲーム」として登録する必要があります。

表現力に優れたディスプレイ。ただし改善の余地も

AQUOS R6のディスプレイは色の表現力にも優れています。輝度を高めに設定したときの色の表現力は素晴らしく、他のどのスマホのディスプレイよりも自然に見えます。特に、明るくしたときのピーク輝度は2,000ニトと高く、有機ELディスプレイの強みである黒色の締まりだけでなく、白色の表現力にも優れていると感じました。

ただし今回使った、発売直後のアップデートを適用した試用機では、ディスプレイの色味が適切ではないように感じる場面がありました。特に気になったのは、暗い部屋の中で低輝度に設定したとき、全体的に青みがかったような色味となっていました。この問題についてシャープに報告したところ、「改善に向けた検証を行っているが、今後のソフトウェア更新で改善が見込める」との回答を得ています。

ディスプレイに関してはソフトウェア更新での改善の余地を残しています。ディスプレイ輝度を最低にした場合でも、他のスマホよりも明るく表示されるため、たとえば電気を消した真っ暗な部屋で見たときは目への刺激が強いと感じました(真っ暗な部屋でスマホの画面を見るのは、目に負担がかかるため推奨しません)。

また、ここまで表現力の高いディスプレイならば、もう少し踏み込んでカスタマイズしたい、とも感じました。設定の「画質」という項目で、ディスプレイの色味を4つのパターンから選択できますが、「おススメ」、「標準」、「ダイナミック」は輝度を下げたときに青みが強く、「ナチュラル」に設定すると今度は黄色が強調されすぎるきらいがあります。

  • もう少し細かく設定できれば良いのに……と思う、AQUOS R6の画質設定

GalaxyやXperiaでは、ホワイトバランスを寒色~暖色のスライダーで細かく設定したり、赤緑青それぞれの強さを調整したりと細かくカスタマイズできる機種があります。ディスプレイにこだわるフラッグシップとして、AQUOS Rシリーズでも自分好みの色表現を設定できるような、ディスプレイ周りの機能拡充に期待したいところです。

良くも悪くも「スマホのカメラ」ではない

ライカとのコラボレーションは、AQUOS Rシリーズのカメラの方向性を大きく変化させました。AQUOS R6のメインカメラはコンパクトデジカメ用の1型センサーを搭載し、ライカの「SUMMICRON(ズミクロン)」の名を冠した、F1.9の明るいレンズを装備。その写りの印象は、今までのAQUOSスマホの写りとは一線を画しています。

一方で、スマホのカメラの枠に留まらない面もあり、使い勝手の独特さで人を選ぶものとも感じられました。その実力については改めてレポートします

  • AQUOS R6の一番の見どころはやっぱりカメラ