米IBMは、スペインのバルセロナで6月28日から7月1日まで開催したMobile World Congress 2021において、通信サービス・プロバイダ(CSP)向けのAI(人工知能)を使用する新たなハイブリッドクラウド自動化ソフトウェアである「IBM Cloud Pak for Network Automation」を発表した。新製品は、ゼロタッチ運用、コスト削減、顧客への新たなサービスの迅速な提供などにより、5G(第5世代移動通信システム)の実現を支援するという。

同製品によりCSPは、AIを使用する自動化によって、広範な環境でネットワークを立ち上げて管理し、新たなサービスを数日で提供可能になるとのこと。同製品はRed Hat OpenShift上の広範な環境で動作するように設計しているといい、マルチベンダーのソフトウェアベースのネットワーク機能を管理することで5Gおよびエッジ・サービスを実装するための一連のAIを使用した自動化機能を提供し、自律運用への進化を支援するとしている。

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先進のアナリティクス、機械学習、およびAIOps(IT運用のためのAI)を1つにまとめることで、CSPがネットワーク・データ内で隠れたパターンや傾向を発見し、最小限の人的介入でネットワークの運用とパフォーマンスを継続的に最適化できるようにするという。

IBM Cloud Pak for Watson AIOpsとIBM Edge Application Managerなどのエッジ・ソリューションの統合により、CSPは必要な場所へのリソースの提供を動的に自動化できるとのこと。

IBM Cloud PakポートフォリオにIBM Cloud Pak for Network Automationを追加したことで、CSPは、汎用ネットワーク・ライフサイクル・モデリング、自動化サービスの設計とテスト、ライブ・ネットワーク・パフォーマンスのリアルタイム・ビュー、クローズドループ運用といったメリットを得られるとしている。

ホスト名の詳細、サーバポート、ネットワーク体系、テナント、IPアドレス計画など、数十万のネットワーク機能をリアルタイムで整理し、1つにまとめる(オーケストレーションする)ことにで、総合的なネットワーク・サービスを提供するとのこと。

加えて同社は、2021年4月の米Turbonomicの買収により、仮想化および自動化したネットワークに必要なアナリティクスおよび監視機能の提供を予定している。具体的には、IBM Cloud Pak for Network AutomationをTurbonomicのネットワーク・パフォーマンス管理および保証機能と共に提供する予定だ。