パナソニックは4月19日、奥行き44cmという薄型の家庭用自然冷媒(CO2)ヒートポンプ給湯機「エコキュート」(6品番)を発表した。遠隔操作や気象情報と連携した自動沸き上げといった「エマージェンシー沸き上げ」機能により、もしものときの安心安全を自動で確保する。発売は6月20日。価格は工事費別で964,700円~。

  • 薄型エコキュートのヒートポンプユニットと貯湯ユニット

新製品は、ミドルクラスのWシリーズが4品番、スタンダードクラスのHシリーズが2品番。ミドルクラスは、給湯タイプにパワフル高圧フルオートとフルオートがあり、スタンダードクラスの給湯タイプはフルオートのみ。いずれもタンク容量が370Lと460Lのモデルを用意する。なお、ミドルクラスとスタンダードクラスの主な違いは、シャワーの流量と温度を同時に変動させて省エネ・節水を実現する「リズムeシャワープラス」機能の有無(ミドルクラスのみ搭載)。

  • 薄型エコキュート品番・価格一覧

貯湯ユニットは奥行きが44cmで、敷地が狭くても隣接する障害物との距離が約60cmあれば設置可能。狭小地になりがちな都市部の住宅でも設置しやすいサイズとなっている。特にミドルクラスのパワフル高圧フルオートタイプは、水圧を高くすることで2階以上でも快適なシャワーとなり、3階にバスルームを配置できるため、水回りの配置の幅が広がる。Wシリーズでは貯湯ユニット内の配管にステンレスを採用し、耐久性を向上している(ふろ2次側配管を除く)。

  • Wシリーズの設置イメージ図

新たに搭載した「エマージェンシー沸き上げ」は、2020年10月に発売した専用スマートフォンアプリ「スマホでおふろ」を利用して気象情報と連携。大雨、大雪、防風などの災害警報・注意報が発令されている間、タンク内が常にお湯で満水になるように自動でお湯を沸き上げ続ける。エマージェンシー沸き上げの開始時は、ユーザーのスマートフォンへプッシュ通知で知らせるため、災害情報の認知にも役立つ。

同じく専用スマートフォンアプリの天気予報と連携する「おひさまソーラーチャージ」機能は、太陽光発電システムを利用した沸き上げ機能。翌日の天気が晴れの場合に、夜間の沸き上げを減らし、減らした分を翌日の昼間に太陽光発電システムの電力を使って沸き上げる。

これにより、太陽光発電システムの固定価格買い取り制度(FIT)期限が順次終了すること伴う、自家発電した電気の自家消費ニーズに対応する。ただし、天候や発電量によっては、昼間の沸き上げを太陽光発電システムだけではまかなえず、高い電気料金で沸かすこともある。

壁付けのリモコン(台所リモコン)が無線LANに対応しており、自宅にインターネット環境があれば、エマージェンシー沸き上げやおひさまソーラーチャージのほか、ふろ自動をはじめとする遠隔操作、エコキュートタンク内の残湯量やエラー発生時の詳細通知、Q&Aといった各種情報の確認などが、スマートフォンから行える。

  • 台所リモコン

  • 浴室リモコン