CarPlay経由で音楽再生すると、以前より音がいい気がする...その「以前」がどのような接続形態かによりますが、確かにCarPlayは音楽再生の音質面でBluetoothに比べ有利です。バスドラムがしっかり響く、ボーカルに艶がある、ギターのハーモニクスに透明感がある、といった印象を受けるのは決して気のせいではありません。

その理由は、CarPlayの音楽再生はワイヤレス接続のときはWi-Fiで、USB接続のときはデジタル接続で行われることにあります。どちらの接続方法もBluetooth/A2DPと比較して情報量が多く、再圧縮を伴いません。つまり、iPhoneをBluetoothで接続したときと比べると音質が向上したように感じるのは、有利な条件でオーディオ信号が出力されているからです。

カーナビなどの車載システムでワイヤレス接続によりCarPlayを利用する場合、Wi-FiとBluetoothの両方をオンにしたうえでBluetoothペアリングを実施しますが、接続完了後は自動的にWi-Fi接続へ切り替わります。音楽再生に限らず、「マップ」などある程度のデータ量を必要とするアプリでも遅さを感じずに利用できるのは、Bluetoothに比べ格段に帯域幅が広く高速なWi-Fiを利用するからです。

ところで、CarPlayで接続している間は自動的にBluetoothオーディオが解除され、CarPlayに対応したアプリの音楽しか聴くことができません。非対応アプリでは、カーナビの画面にはアプリが表示されるもののクルマのスピーカーから音は出ず、iPhone内蔵スピーカーから聞こえてくるといった現象が起きます。その場合、CarPlayをオフにしてBluetoothかUSB接続で楽しみましょう。

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