WTSP-TVは2月8日(米国時間)、「Hacker changed chemical level at Oldsmar water treatment facility|wtsp.com」において、米フロリダ州オールドスマーの上水道処理施設がサイバー攻撃を受けたと伝えた。何者かが同施設の制御システムに侵入し、水酸化ナトリウムの量を100ppmから11,100ppmという危険なレベルへ変更したのだ。なお、オペレーターがこの不審な動きに気が付きすぐに適切なレベルに設定を戻しており、影響は軽微にとどまっている。

不正侵入が発覚したのは2月5日(米国時間)の午前8時頃。オペレーターが上水道処理施設において化学薬品やそのほかの操作を制御するためのコンピュータシステムを監視していたところ、何者かがそのコンピュータシステムに遠隔から侵入したことを確認。ただし、問題解決のために遠隔から監督者が対象システムにリモートアクセスすることは珍しくないため、当初はこの挙動に特に不信感を抱かなかったようだ。

しかし、侵入者はその後5分間システムに居座り続けた上、水酸化ナトリウムの量を100ppmから11,100ppmへ引き上げる操作を行ったという。問題に気がついたオペレーターがすぐに適切な値に戻したため、処理される上水に深刻な影響は出ていないとされている。なお、仮に値が引き上げられたままであったとしても、複数のフェールセーフおよびアラートシステムが設置されているため、問題のある上水が市民に届くことはないとのことだ。

報道時点で不正侵入を行ったサイバー攻撃者は明らかになっていない。米国連邦捜査局(FBI: Federal Bureau of Investigation)およびアメリカ合衆国シークレットサービス(USSS: United States Secret Service)が調査を進めている段階にあり、米国内部からの犯行か、米国外からの犯行かも不明とされている。