宇宙航空研究開発機構(JAXA)は12月24日、小惑星探査機「はやぶさ2」が持ち帰ったサンプルコンテナのサンプルキャッチャーC室内に5mmを超え、1cm近いサイズのサンプル(小石、礫)を確認したことを明らかにした。

はやぶさ2が持ち帰ったリュウグウのサンプルを入れたカプセルは2020年12月現在、JAXA相模原キャンパス内に設置されているキュレーションセンターのクリーンルーム内にてキュレーション作業が進められている段階。今回、その一環として、すでに開封済みのサンプルキャッチャーA室に続いて、残りのB室ならびにC室の開封が行われたという。

その結果、A室に加え、C室にも大粒のサンプルが入っていることが判明(B室内にも肉眼で見えるレベルの細かな粒子が存在していることが確認されたという)。専用の回収容器にそれぞれのサンプルを収め、顕微鏡観察を行ったところ、A室、C室ともに1mmを超える粒子が多数存在していることを確認。特にC室は5mmよりも大きい、中には1cm近いサイズのサンプルが複数存在していることが確認されたという。

  • はやぶさ2

    回収容器に入れられたA室ならびにC室のサンプル。C室のサンプルの方が大きいことが見てとれる (C)JAXA

C室は、2回目のタッチダウンで採取したサンプルを収めるための部屋。2回目のタッチダウンで採取されたサンプルは、衝突装置を使って作った人工クレーターの内部のものであることから、今回確認されたサンプルはリュウグウの地下から採取された物質である可能性が高いが、現時点では詳細な分析などが進められていないため、まだ確定できないとしている。

また、回収容器での観察では、C室内に人工物のような金属片の存在を確認。JAXAでは現在、実際にそれが何であるのかについて調査を進めているとしているが、リュウグウでのサンプル採取の際に行われる弾丸の打ち出し機構に起因する人工物が入ってしまう可能性があることが分かっているとしている。