12月8日にAppleが発表したAirPods初のオーバーイヤー型ワイヤレスヘッドホン「AirPods Max」。レビューの公開が始まり、購入して手にした人が増える中、「使用していない時にバッテリーが減っていくのではないか?」という議論が広がっている。そうした疑問を解消するべく、Appleが12月18日に、AirPods Maxのバッテリーライフに関するサポートページを更新し、使用していない時の電力モードの情報を公表した。

多くのヘッドホンは電源ボタンを使って電源オン/オフを操作するが、ボタンの長押しでオンだと使い始めるまで少し時間がかかる。そこに不満を感じるユーザーは多い。AirPods Maxには電源ボタンがない。電源をオフにするのではなく、スタンバイ状態と自動頭部検出を活用して、使いたい時にすぐに使える利便性を実現している。外して肩にかけたり、デスクの上に置いてしばらく経過すると低電力状態になる。また、付属のケース(Smart Case)に入れることで超低電力状態になる。便利な仕組みだが、使用していない間のバッテリーの減りを極力抑えるにはケースに入れなければならない。ヘッドホンスタンドにかけたり、ケースに入れずに使い続けたいユーザーが多く、低電力状態のバッテリー消費が議論に。「神経質になる必要はない」というレビューがあれば、逆にスマート機能とのトレードオフを「実感する」という感想もあるなど見解が分かれていた。Appleがサポートページに追加した使用していない時の電力モードの切り替えに関する情報は、双方の疑問に答えるものになっている。

Smart Caseに入れない場合:

  • 外して何も操作しない静止状態 (Stationary)が5分続いたら低電力 (Low power)モードに
  • 操作しないまま72時間経過でBluetoothや「探す (Find My)」もオフにしてさらに低電力に

Smart Caseに入れた場合:

  • すぐに低電力モードに
  • Smart Caseに入れてから18時間後に、Bluetoothや「探す (Find My)」をオフ、電力消費を最小限にする超低電力 (Ultralow power)モードに
  • AirPods MaxとSmart Case

    AirPods MaxとSmart Case

ケースに入れないと使用時と同じような状態がしばらく続くことを心配する声があったが、外した後に静止状態5分で低電力モードになるので、ケースにしまわなくてもバッテリーの減りは抑えられる。サポートドキュメントの新情報では、Smart Caseに入れない時よりも入れた時のふるまいに驚きの声が広がっている。これまでSmart Caseに入れるとすぐに超低電力モードになると多くの人が推測していた。ところが、Smart Caseでも「探す」など必要になりそうな機能が使えるようになっており、超低電力モードに移行するのは18時間後だ。バッテリーの減りを気にしながら使う必要はなく、Smart Caseに入れても必要なスマートな機能がしばらく維持される。使用体験に優れたバランスの良い仕組みになっている。