VMwareは11月19日(米国時間)、「Fusion 12.1 Now Shipping - VMware Fusion Blog - VMware Blogs」において、Mac用仮想化ソフトウェアの最新版となる「VMware Fusion 12.1」の公開を伝えた。VMware Fusion 12.0で動作しなくなった機能が復活したほか、Windows 10 20H2、Ubuntu 20.10、RHEL 8.3、Fedora 33への対応、新しいヘルスチェック機能の導入などが行われている。

VMwareは「VMware Fusion 12.0」でmacOS Big Surへの対応を行った。macOS Big Surは仮想環境の仕組みが変更されたことで、仮想化アプリケーションの多くが対応に追われることになった。VMware Fusionは12.0でBig Surに対応したが、その過程でゲスト内で仮想化を行う機能が利用できなくなっていた。ゲスト内仮想化機能が有効になっていると仮想環境が起動せず、機能を無効にした状態で起動すると、ゲスト内部での仮想化機能は利用できなくなっていた。

例えば、Windows 10のWSL 2はHyper-V技術で動作しているため、ゲスト内部で仮想化機能を利用する設定を有効にできないと、ゲストで動作するWindows 10でWSL 2を利用することができない。VMware WorksationやVirtualBoxといった仮想化アプリケーションもゲストOSでは利用できなくなっていた。これは一部のユーザーにとって深刻度の大きな影響。VMwareは迅速に対応を行い、Big Surの正式提供が始まってから1週間以内に対応を行ったことになる。

  • VMware Fusion 12.1でネスト仮想化機能が再度利用できるようになった

    VMware Fusion 12.1でネスト仮想化機能が再度利用できるようになった

WSL 2などの機能は仮想化機能を利用しており、ハードウェアの仮想化機能や仮想化アプリケーションの存在を意識しなくてもこうした機能は利用されている。Appleは仮想化周りの機能の整理を進めており、今後もmacOSのアップデートで類似の状況が発生する可能性があり注意が必要。新バージョンリリース後にすぐにアップデートを実施する場合、β版の段階で対応状況を確認するといった準備を行っておくことが望まれる。