ソニーは、フジテレビジョン、NTTドコモと共同で、第5世代移動通信システム(5G)対応のXperiaスマートフォンを使った通信サービスと、クラウド中継システムを用いた遠隔番組制作の共同実証実験を11月9日に行い、遠隔でのライブ番組制作に成功したと発表した。

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    実証試験の様子。(左から)中継地点、中継地点の使用機材の一部、スイッチャー操作

中継現場で映像をリアルタイムに切り替えて番組制作を行う中継車の役割を、クラウド上に構築できる可能性が広がり、場所を選ばず遠隔からの番組制作が可能になるという。

実証実験には、ソニーイメージングプロダクツ&ソリューションズ、ソニービジネスソリューション、ソニーモバイルコミュニケーションズと、フジテレビ、ドコモが参加。大容量・低遅延を特徴とする5G通信サービスと、クラウド上に構築した仮想中継システムを活用した、遠隔制御による番組制作「CNG(クラウド・ニュース・ギャザリング)」を共同で実験した。

今回活用したクラウド中継システムは、報道を含むさまざまな映像制作用途を想定しソニーが開発を進めているもので、番組制作の実証実験は今回が初めてだという。従来、ハードウェアで制御していた映像のスイッチング、テロップの重畳、動画ファイル再生といった多様な映像処理をクラウド上で行える。

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    CNG(クラウド・ニュース・ギャザリング)実証実験の構成図。カメラとソニー製トランスミッター試作機、5G対応Xperiaを組み合わせた撮影機材を、2カ所の中継地点で使用した

実験では、お台場地区の2カ所の中継地点で撮影したニュース映像・音声を、ソニー製トランスミッター試作機でエンコード。ネットワーク環境に適した形に制御しながら5G対応Xperiaに入力し、ドコモの5Gを用いた通信サービスを介してクラウド中継システムへ送信した。フジテレビ本社からは、インターネット経由でこのクラウド中継システムを制御し、2地点からの映像・音声をリアルタイムで切り替えながら、検証用ライブ番組制作を行った。

ソニーは、「(同社は)リアリティ、リアルタイム、リモートを極めるソリューションによる価値提供に努めている。今後も、重点領域として注力してきたIP・クラウドベースの映像制作ソリューションをさらに強化し、5Gを活用した柔軟なリモート映像制作ワークフローの構築を追求する」とコメントしている。