今年も連日うだるような暑さが続く夏。暦の上では秋だが、厳しい残暑を背筋も凍るようなスリルと手に汗握る興奮で忘れさせてくれるのが「サバイバル映画」だ。今回は絶賛劇場で上映中&これから公開を迎える最新ハリウッド映画の中から、全く異なる3つの絶望的脅威に立ち向かう、"ハラハラドキドキのサバイバルムービー3作品"をピックアップしてみた。
平和な住宅街を襲う古代の恐竜、文明が崩壊した世界で正気を失った生存者たち、そして海の絶対的王者である 巨大クジラ……。想像を絶する過酷なシチュエーションに放り込まれた主人公たちとともに、劇場の暗闇の中で極限のサバイバルを疑似体験できる映画3作品を紹介していこう。
脅威その1:平凡な住宅街に古代王者が突如出現! 迫りくる「恐竜」から生き延びろ!
- 『オークストリートの異変』8月14日より全国劇場で公開中
『スター・ウォーズ』続三部作シリーズ(2015〜19)や『クローバーフィールド/HAKAISHA』(2008)を生み出したヒットメーカー、J・J・エイブラムス製作。そして、世界的ヒットホラー『イット・フォローズ』(2014)の鬼才デヴィッド・ロバート・ミッチェルが脚本・監督を務める、新体験の恐竜サバイバルムービー。舞台は1980年代、平和な街オークストリートでごく普通の暮らしを送るプラット一家。しかしある日を境に街は断絶状態となり、絶滅したはずの恐竜たちが突如出現して住民を襲い始める。主演を務めるのは、『プラダを着た悪魔』(2006)のアン・ハサウェイと『スター・ウォーズ』新三部作シリーズ(1999〜2005)のユアン・マクレガーだ。
本作の最大の魅力は、「1980年代のリアリティあふれる日常」に獰猛な恐竜が入り込むという猛烈なギャップにある。アン・ハサウェイ演じる、一見か弱そうな母親デニースが、愛する子供たちを守るため、血塗れになって迫りくる古代の王者たちに立ち向かう変貌ぶりは必見だ。また、父親グレッグを演じるユアン・マクレガー自らがフェンスを飛び越え、ハンマーを振り回して挑む緊迫のノースタント・アクションも圧倒的。巨大で無慈悲な恐竜に追いかけ回され、死に物狂いで走る一家の様子をスクリーンでぜひ堪能してみてほしい。息つく暇もないジェットコースターのような展開に、思わず座席にしがみついてしまうこと間違いなしだ。
脅威その2:最大の恐怖は「人間性を失った生存者たち」絶望の中で希望を見出す人々を描いた作品
- 『ラスト・サバイバー』 8月28日劇場公開
『エイリアン』(1979)『ブレードランナー』(1982)で映画界に金字塔を打ち立ててきた巨匠リドリー・スコット監督が放つ、魂のディストピア・サバイバル。舞台となるのは、謎のパンデミックで人口の90%が死滅し、人間性を失った"狂った生き残りたち"が土地や物資を奪い合う荒廃した世界。愛犬と亡き妻の記憶を拠り所に生き延びていたパイロットのヒッグ(ジェイコブ・エロルディ)が、無線に届いた謎の声に導かれ、終末世界にまだ残されているかもしれない希望を求めて、未知の空へと飛び立つ物語。主演に映画『フランケンシュタイン』(2025)で第98回アカデミー賞の助演男優賞に初ノミネートされた、ハリウッド最注目の俳優ジェイコブ・エロルディを迎え、共演にはジョシュ・ブローリンほかアカデミー賞常連の実力派キャストが集結し注目を集めている。
本作の恐ろしさは、未知のモンスターではなく「狂気にとらわれた人間」こそが最大の脅威であるという点だ。先日公開された最新予告編では、ヒッグと共同戦線を張る元軍人のバングリー(ジョシュ・ブローリン)が「外は殺すか殺されるかだ」「唯一の敵は……狂った生き残りだ」と語るシーンが公開されている。予告の終盤には、黄色いセスナの乗って飛び立とうとするヒッグたちを追いかける、狂った生き残りたちの襲撃シーンも描かれている。脅威的な環境を描いた本作、"いつ、どこから人間性を失った生存者たちに襲われるか分からない"という生々しく息詰まるような恐怖が続く部分は必見だ。そして、そんな過酷な状況の中で、主人公ヒッグはどのような想いを胸に未知の空へ飛び立つのか。奪い合いが絶えない極限の世界で展開される、重厚な人間ドラマも本作の見どころの一つとなっている。迫りくる危機にヒッグたちがどう立ち向かうのか。リドリー・スコット魂の最新作をぜひスクリーンで体感していただきたい。
脅威その3:タイムリミットは酸素タンクの残量!「巨大クジラの体内」から抜け出す緊迫のサバイバル描写
- 『クジラに落ちた男』 10月16日劇場公開
ピューリッツァー賞受賞作家であるダニエル・クラウスによる傑作ベストセラー小説"Whalefall"を実写映画化。本作は、海という大自然の王者「巨大なマッコウクジラ」に丸呑みされてしまった青年の極限状態を描く、前代未聞のワンシチュエーション・サバイバルスリラーだ。主演はドラマ『ユーフォリア/EUPHORIA』(2019〜〜22)でブレイクを果たしたハリウッドの最旬俳優オースティン・エイブラムス。さらに主人公の父親役として、先述の『ラスト・サバイバー』にも出演している名優ジョシュ・ブローリンが脇を固めている。
本作で注目すべきポイントは、圧倒的な存在感を放つクジラに飲み込まれるという、かつてない斬新なシチュエーションだ。オースティン演じる主人公・ジェイが、今まさにダイオウイカとともにマッコウクジラに丸吞みされようとする瞬間を捉えたティザービジュアルは、公開されるやいなや強烈なインパクトを与え、映画ファンをはじめ多くの人々の注目を集めた。「すべてを飲み込むクジラの体内から、一体どうやって立ち向かうのか」と、早くもその脱出方法について議論が交わされており、手に汗握る展開に期待が高まっている。また、同じく公開済みの特報映像には、ダイビングの師でもある父親ミット(ジョシュ・ブローリン)が「何があっても、自分を信じろ。」とジェイに語り掛けるシーンが収められている。絶望的なまでに巨大なクジラを前に、ジェイはどう脱出を図るのか。父親から授かった知恵を頼りに生き残りを懸けるストーリー展開も見逃せない。タイムリミットのカウントダウンが迫るなか、果たして彼は生還できるのか。極上の緊張感を劇場という密室で、主人公と一緒に息を殺しながら、深海の恐怖を体感してほしい。
いかがだっただろうか。全く異なる絶望的脅威に立ち向かう3作品。いずれも主人公たちとともに息を殺し、手に汗握る極上のハラハラドキドキを味わえる傑作揃いだ。まだまだうだるような暑さが続くこの夏。ぜひ涼しい劇場の大スクリーンに身を沈め、日常では絶対に味わえない圧倒的なスリルとサバイバル体験で、残暑を忘れる至福のひと時を堪能してみてほしい。
■『ラスト・サバイバー』 ストーリー
謎のパンデミックで人口の大半が死滅、人間性を失った者たちが奪い合い殺し合う荒廃の地で、パイロットのヒッグは、元軍人のバングリーと共同戦線を張ることで、日々を生き延びていた。ヒッグの理性をつなぎとめていたのは、愛犬ジャスパーの存在と亡き妻の記憶だけだった。そんなある日、小型機の無線に「謎の声」が届く。失われた日常を求め、その声に導かれるようにヒッグは未知の空へと飛び立つ。世界の終末 にまだ希望は残されているのか――。
■『ラスト・サバイバー』 出演者(役名:俳優名)
ヒッグ:ジェイコブ・エロルディ
バングリー:ジョシュ・ブローリン
シーマ:マーガレット・クアリー
ジャック:ガイ・ピアース
■『ラスト・サバイバー』 スタッフ
監督:リドリー・スコット
原作:ピーター・ヘラー『ラスト・サバイバー』(堀川志野訳、ハヤカワ文庫)









