ノートPC
Intel製のCPUとMicrosoftのWindows OSは、まだ搭載できるHUAWEI。ノートPCシリーズとして、MateBook X、MateBook、MateBook Dという3ラインナップを用意しています。
今回発表の新型MateBook Xは、ディスプレイの額縁を極限まで削減したフルビューディスプレイをアピール。画面占有率は90%に達し、解像度は3,000×2,000ドット、sRGBカバー率100%、輝度400nitというLTPSディスプレイを採用しました。
13インチサイズながら、A4用紙よりも省スペースを実現。重さは1kgと軽量化し、最厚部でも13.6mmという薄型化も図っています。ボディはマグネシウム-アルミニウム合金のユニボディで高級感をまとい、シルバーフロスト、フォレストグリーン、インターステラーブルー、サクラピンクという4色を用意しています。
従来比26%増と大型化したタッチパッドは、感圧式で触覚フィードバックも搭載。HUAWEIHUAWEI製スマホをタッチするだけでデータ転送などができる、HUAWEI Shareのタッチエリアとしても使えます。そのHUAWEI Shareでは、スマホ画面をPC上に表示するマルチスクリーンコラボレーションに対応。スマホビデオ通話の着信があった場合、PC側のWebカメラで受信して通話することもできます。
キーボードでは大型のキートップを採用。キーストロークは1.3mmで、打ちやすさに配慮しています。サウンド面では、2つのツイーターと2つのウーファーを内蔵し、4つのモードによるサラウンド再生をサポート。また、内蔵のデュアルマイクはAIがリバーブやエコーを削減して音質を向上。ビデオ会議で威力を発揮しそうです。
スペック概要ですが、第10世代Intel Core i7プロセッサを搭載し、Wi-Fi 6をサポートします。ヒンジ部に熱を逃がす構造でファンレスを実現しました。従来通り、電源ボタン一体型指紋センサーを搭載しています。付属の充電器は65Wで、バッテリー駆動時間は連続ビデオ再生で9時間です。
Core i7、メモリ16GB、ストレージ512GBの上位モデルが1799ユーロ、もう1モデルはCPUがCore i5となる以外は同等で1599ユーロ。いずれも10月発売です。
「HUAWEI MateBook 14」も発表されました。14インチで2,160×1,440ドットのディスプレイを備え、sRGBカバー率100%、コントラスト比1500:1、画面占有率90%といった仕様です。
CPUはAMD Ryzen 4000 Hシリーズ。新たな「HUAWEI Shark Fin Fan」を搭載することで、ブレードを40%薄型化しながら、ブレード数を49%増やしたデュアルファン、およびデュアルヒートパイプ構造によって、効率よく本体を冷却するそうです。
バッテリー駆動時間は10時間の連続ビデオ再生、USB 3.2 Type-Aポート×2基、HDMI×1基、USB Type-C×1基と、薄型ながら複数のポートを搭載して使い勝手を高めています。
Ryzen R7 4800Hにメモリ16GB、ストレージ512GB、タッチスクリーンを搭載した最上位モデルが1049ユーロ、Ryzen R5 4600Hに16GBメモリと512GBストレージのモデルが949ユーロ、Ryzen R5 4600Hに8GBメモリと256GBストレージのモデルが8490ユーロ。発売は10月です。
新たに、MateBook用にバックパックとスリーブケースも用意されました。バッグの「HUAWEI Classic Backpack」は、フォレストグリーンとグラファイトブラックの2色2サイズで99ユーロ。スリーブケース「MateBook X Laptop Sleeve」は2色展開で39ユーロ。いずれも10月発売です。
HUAWEIは、スマートフォンの開発でGMS(Googleモバイルサービス)を搭載できず、中国外でのAndroidスマホ販売に陰りが見えています。GMSに代わるHMS(HUAWEIモバイルサービス)によってカバーしようとしていますが、普及には起爆剤も必要でしょう。今回の発表会では、IoT向けOSとして開発されてきたHarmony OSをスマホ向けに活用するという発表もあり、こうした取り組みの一環と言えそうです。
1+8+N戦略は米国の制裁前からの戦略ですが、ユーザーの生活全般をカバーする製品群をトータルで提供し、シームレスに接続するという戦略は、現在の状況下では今後さらに重要になってくるでしょう。今回はそうした戦略のスタートとなるタイミングのため、まだ将来像は定かではありませんが、これからのHUAWEIがどのようにして苦境に挑むかが注目されます。