Googleは、2019年の10月に発表した初の完全ワイヤレスイヤホン「Pixel Buds」を、いよいよ日本でも8月20日に発売します。価格は20,800円(税込)。

アップル・AirPodsのワイヤレス充電ケース付きモデル(25,080円・税込)よりも5,000円近く安いPixel Budsがどんな製品なのか、公開されている情報を整理しつつ、ライバル製品のスペックとも比べながら詳細を見ていきましょう。

  • Google初の左右独立型完全ワイヤレスイヤホン「Google Pixel Buds」が日本でも発売されます

    Google初の左右独立型完全ワイヤレスイヤホン「Google Pixel Buds」が日本でも発売されることが決まりました

Pixel BudsはGoogleのオンラインストアのほか、全国の大手家電量販店とau、ソフトバンクのショップでも取り扱われます。

充実の3色カラバリ。ケースはワイヤレス充電対応

本体のカラーバリエーションはClearly White / Almost Black / Quite Mintの3色です。海外で販売されているOh So Orangeは日本では取り扱われないようですが、アップルのAirPodsよりもカラバリは充実したといえます。

  • カラーバリエーションは写真左からQuite Mint/Clearly White/Almost Black

ただし、どのカラバリを選んでもQi対応のワイヤレス充電ケースはホワイトの1色に限られるようです。有線充電の場合はUSB Type-Cケーブルを使います。

オーディオ性能:大型12mmドライバーを搭載するオープン型イヤホン

本体には、完全ワイヤレスイヤホンに搭載されるドライバーとしては比較的大型といえる12mm口径のダイナミック型ドライバーが搭載されています。最近の新製品ではソニーの完全ワイヤレスイヤホン「WF-XB700」が12mmのダイナミック型ドライバーを採用しています。

インイヤー型とイヤホン型の長所を組み合わせた音響設計を採用しているそうです。つまり、電気的なヒアスルー(外音取り込み)機能を搭載していなくても、装着状態で自然に外の環境音が少し聞こえてくるセミオープン、あるいはオープン構造のワイヤレスイヤホンです。

  • 正円形のデザイン。ハウジングは密閉型のように見えて小さな孔を設けたオープン型構造としています

アクティブ・ノイズキャンセリングを搭載する消音機能付きの完全ワイヤレスイヤホンに注目が集まる中、Pixel BudsはGoogleのPixelシリーズなどスマートフォンとペアリングして使う場面で心地よくハンズフリー通話ができたり、歩きながら音楽を聴く際の安全性にも配慮して、外の音を自然に取り込めるオープン型イヤホンにこだわったのだと考えられます。

アップルのAirPods、EarPodsもオープン型のイヤホンです。またGLIDiCのワイヤレスイヤホン「Sound Air SPT-7000」も、スポーツをしながら外の音が聞けるようにオープン構造を採用しています。

アクティブ・ノイズキャンセリング機能を搭載するAirPods Proには高性能な外音取り込み機能が搭載されています。通信機器を手がけるメーカーは、イヤホンの遮音性能ばかりを高めるのではなく、ユーザーが安全に音楽リスニングを楽しめるイヤホンを理想型としているのでしょう。

イヤーピースのフィット感を高めたことで、パワフルなサウンドも再現できるのだとか。筆者は残念ながらまだPixel Budsのハンズオンができていないため、サウンドチェックはまた次の機会に譲ろうと思います。

通話性能:あごの骨の振動もピックアップする高性能マイク

本体には2つの高い集音指向性を実現したビームフォーミングマイクを搭載。Google独自のアルゴリズムにより、マイクが拾った音声から環境雑音をフィルタリングして取り除き、人の声だけをクリアに通話相手に届ける機能を搭載しました。

雑踏の中などノイズが多い場所や風の強い日、車を運転中に通話を利用する際には、あごの骨の振動を加速度センサーで検知・解析しながらマイクによる集音をサポートする機能も内蔵します。

この仕組みはAirPodsシリーズと同じ、音声を感知する加速度センサーに似たものと思われます。Googleではデバイスの選定からチューニング、マイクの配置やフィット感の調整まで独自にカスタマイズしたユニットを搭載したと説明しています。集音性能の出来映えが気になります。

  • カラーバリエーション“Quite Mint”のモデルも充電ケースの色はすべてホワイトに統一されています

装着感:イヤーピースとスタビライザーでしっかりフィット

初代のネックバンド型ワイヤレスイヤホンの「Pixel Buds」や「Google Pixel USB-Cイヤホン」では、本体のケーブルをループ形状にして外耳のくぼみにフィットさせるデザインを採用していました。

しかし今回は完全ワイヤレスイヤホンであるためその設計が採れないので、シリコン製の「固定用アーチ(スタビライザー)」を耳にフィットさせるデザインとしています。S / M / Lの3サイズのイヤーピースと合わせて装着感を最適化できます。

  • イヤーピースとスタビライザーにより安定したフィット感を実現しています

イヤホンは屋外で少し雨に濡れたり、体を動かしながら音楽を聴いている時に汗が付着しても安心なIPX4相当の防滴仕様。グーグルの開発チームが数千人ぶんの耳型をスキャンしてユニバーサルフィッティングを実現したという装着感が、例えばスポーツをしながら激しく体を動かした場合でもどれほど安定するのかぜひ試してみたいところです。

本体の重さは片側が約5.3g。標準的なサイズ感だと思います。ワイヤレス充電ケースは56.1g、サイズはAirPodsのケースよりもほんのわずかに大きいくらい。コンパクトな卵形のデザインとしているので、持ち運びも快適だと思います。

ペアリング:Fast Pairでワンタッチ

Pixel BudsはAndroidスマホに限らず、iPhoneやBluetooth対応のポータブルオーディオプレーヤーにペアリングして使えるワイヤレスイヤホンです。対応するBluetoothオーディオのコーデックは今のところ公開されている情報にないため、あらためてまた実機で確かめてみたいと思います。

Android 6.0以降のプラットフォームを搭載するスマホにペアリングする際には、Bluetooth接続機器一覧に表示されるPixel Budsのアイコンをタップするだけで素速くペアリングが完了する「Fast Pair」機能が使えます。

ペアリング後はイヤホンに内蔵されているデュアルIR近接センサーがイヤホンの着脱動作を検知。合わせて音楽再生の一時停止・再生を自動で切り換える装着検知機能も稼働します。おそらく各機能のセットアップはスマホからGoogleアカウントに入って行うのではないかと思います。

リモコン:左右同一操作を割り当てたタッチセンサー式

ペアリング時の音楽再生やハンズフリー通話、Googleアシスタントの操作は、イヤホンのサイドパネルに搭載するタッチセンサーで行います。

音楽リスニングの場合はシングルタップで再生 / 一時停止、ダブルタップで曲送り、トリプルタップで曲戻し、スワイプで音量切り換えとなり、各ジェスチャーを覚えやすいように左右のイヤホンに同じ操作コマンドを割り当てています。

常時スタンバイモードで「OK Google」の音声操作も対応するようです。なお、Googleアシスタントの音声操作を利用する際は、クラウドとの通信はBluetoothでペアリングしたスマホで行います。イヤホン単体ではできません。

  • ハウジングの側面がタッチセンサー式のリモコンになっています

バッテリー:イヤホン単体で連続音楽再生は約5時間

イヤホンの内蔵バッテリーは、フル充電から最長約5時間の音楽再生に対応しています。ケースによる充電を繰り返せば約24時間の使用が可能。最近はイヤホン単体で約7時間を超える連続音楽再生ができる製品が増えているので、バッテリーはもう少し粘ってほしかったところ。とはいえ、実際には5時間連続で持てば十分だと思います。

ケースに入れて10分間充電すれば2時間ぶんの音楽再生に使える急速充電も可能です。ケースは約1時間で満充電にできます。

  • 充電ケースによるチャージをあわせると約24時間の連続音楽再生が楽しめます

再生音を自動で最適化する「アダプティブサウンド」

Pixel Budsには、移動しながら音楽を聴いている時、周囲の騒音レベルに合わせて自動的に音量レベルを揃えてくれる「アダプティブサウンド」の機能が搭載されています。

音楽再生だけでなく通話音声にも効果があるので、必ずしも静かな場所で参加できるとは限らないビデオ会議の音声もクリアに聞き取れる便利な機能になりそうです。

同様に、外部環境音に合わせるボリューム自動調整として、よく似た機能をソニーの「Xperia Ear Duo」がダイナミックノーマライザーとして搭載しています。

アダプティブサウンドには、発売後のソフトウェアアップデートで「アテンションアラート」という新機能が追加を予定しているそうです。機械学習により認識したドアベルやアラームの音を、イヤホンが内蔵するマイクで拾った時に、音楽再生中に通知を飛ばしてくれるという、こちらはとてもグーグルのイヤホンらしいスマートな機能。一人で在宅ワークに没頭している時に役立ちそうです。

リアルタイム外国語翻訳にも対応

このほかにもGoogleアシスタントでペアリングしたスマホのGoogle翻訳アプリを起動して、日本語から外国語、または反対方向のリアルタイム翻訳機能が利用できます。Google Pixelシリーズ、またはAndroid 6.0以降を搭載するスマホとの組み合わせで利用できます。

Googleアシスタントを搭載するヘッドホン・イヤホンで利用できた機能に新しいPixel Budsも対応した格好です。最新のアップデートにより、どのようなシチュエーションの自動翻訳に適している機能になったのか、こちらもまた実機で試してみたいと思います。

「Googleらしい機能」を満載した完全ワイヤレスイヤホンが約2万円なら、AirPodsの強力なライバルとして存在感を放つヒットモデルになりそうです。