日立と日立ビルシステムは6月30日、サーマルカメラによる発熱者検知システムの提供を新たに開始するとともに、サーマルカメラで検知された発熱者の情報を遠隔で確認できる機能などを追加することで、サーマルカメラ運用時の課題となる現場に常駐する担当者人数の縮減を実現し、運用負担軽減と感染リスク低減に貢献する運用支援ソリューションを2020年7月1日から販売開始すると発表した。

  • サーマルカメラ映像のモニター画面イメージ

新型コロナウイルスの影響により、ビル分野では感染リスクの低減に向けて、エレベーターなどの共用設備に手を触れない形での移動や、人との接触機会の低減といった新たな対応が求められている。

感染リスク低減施策の一つとして、ビルなどへの入場者の検温があり、不特定多数の入場者が訪れる施設においてはサーマルカメラの導入が進んでいるが、現場運用に人手が多くかかっており、担当者の感染リスク低減も課題となっているという。

こうした背景のもと、日立と日立ビルシステムは、2020年4月に、新たに開発した画像解析サービスをはじめとした製品・サービスをもとに、ビルやマンションなどにおいて、エレベーターなどの共用設備に手を触れずに移動することを可能にし、人との接触の機会を低減するなど、建物内の非接触での移動・生活を実現するタッチレスソリューションを体系化した

  • サーマルカメラと「BIVALE」の連動によるソリューション

今回販売を開始する運用支援ソリューションは、統合型ファシリティマネジメントソリューション「BIVALE」(※)と連動しているという。

新たに「BIVALE」に追加したサーマルカメラの遠隔モニタリング機能により、建物エントランスなどに設置したサーマルカメラで発熱者を検知すると、離れた場所にいるビル管理者に検知情報をメールで通知し、ビル管理者が遠隔で映像を確認して対象者を特定することが可能になった。

また、サーマルカメラとロボットとの連動による現場対応支援や、「BIVALE」で管理可能なセキュリティゲートなどのビル設備との連動による入館管理なども可能で、ビルの運用に合わせた対応を検討し、サーマルカメラ運用時の負担軽減と感染リスク低減につながるとしている。

(※)遠隔でエネルギー・セキュリティ・ビル管理を一元的に行えるクラウド型ビルファシリティマネジメントソリューション。