米IBMなどは3月27日(現地時間)、COVID-19 ハイパフォーマンス・コンピューティング(HPC) コンソーシアムを発足したと発表した。

コンソーシアムは、ホワイトハウス科学技術政策局、米国エネルギー省、およびIBMが主導する官民連携による取り組みで、米国政府、産業界、学界の各リーダーを結集し、これらの組織が持つ世界有数のコンピューティング資源を無償で提供する。

コンソーシアムへの参画者は、産業ではIBM、Amazon Web Services、Google Cloud、Microsoft、学術機関からはマサチューセッツ工科大学、レンセラー工科大学、カルフォルニア大学サンディエゴ校、エネルギー省管轄国立研究機関からはアルゴンヌ国立研究所、ローレンス・リバモア国立研究所、ロスアラモス国立研究所、オークリッジ国立研究所、サンディア国立研究所、連邦機関は国立科学財団ピッツバーグ・スーパーコンピューティング・センター、NASAとなる。

研究者はポータルサイト(英語)を通じて、COVID-19に関連する研究提案をコンソーシアムに提出。提出された提案は審査後に、パートナー機関のいずれかのコンピューティングリソースとマッチングされ、世界最高レベルの科学者とコンピューティング研究者で構成される専門家パネルが提案者と協力して、その研究提案が公衆衛生にもたらす恩恵を評価する。その際、迅速に結果を出せるプロジェクトに重点が置かれる。

COVID-19との戦いにはバイオインフォマティクス、伝染病学、分子モデリングなどの分野における広範な研究により、人類が直面している脅威を理解し、それに対処するための戦略を策定することが必要だという。

これらの作業には、膨大な計算能力が必要となり、コンソーシアムは世界で最も強力かつ最先端のコンピューターの演算能力を集約し、COVID-19研究に携わる研究者たちが複雑な計算科学研究プログラムを実行してこのウイルスに立ち向かえるよう支援する。

コンソーシアムのメンバーは小規模なクラスターから世界最大のスーパーコンピューターまで、広範にわたる演算能力を管理するほか、コンピューティング資源だけでなく、高い技術力と専門知識を提供してCOVID-19の研究者が複雑な計算科学研究プログラムを実行できるようにすることで、任務を支援する。多くの機関が参加できるように促進していく。

現在、コンソーシアムでは16台のスーパーコンピューターへのアクセスを提供しており、合計すると330ペタフロップスを超える処理能力、77万5000基のCPUコア、および3万4000基のGPUに上る。

コンソーシアムでは、この重要な任務に活用できるコンピューティング資源を提供できるメンバーを募集しており、コンソーシアムへの参加についての問い合わせは、COVID19Tech@OSTP.eop.govで受け付けている。