α7シリーズやLマウント機ユーザー待望となる、フルサイズミラーレス専用設計の明るい標準ズームレンズ「24-70mm F2.8 DG DN | Art」がシグマから登場しました。描写性能に優れるだけでなく、このクラスの大口径ズームとしては意欲的な価格設定のため、発売前から予約が殺到。シグマが供給不足による品薄を早々にアナウンスするほどの人気ぶりとなっています。描写と使い勝手はどうか、シグマのフルサイズミラーレス「SIGMA fp」に装着してインプレッションしました。
一眼レフ用のレンズよりも軽く安い
24-70mmの標準ズームレンズといえば、レンズ交換式カメラで中核となる1本です。ミラーレス一眼カメラ専用設計となった「24-70mm F2.8 DG DN | Art」は、グッとコンパクトになって重量も軽くなりました。
今回は、シグマのフルサイズミラーレス「SIGMA fp」に装着して撮影しましたが、ワイド端やテレ端、絞り開放など、あらゆるシーンで満足のいく描写を確認できました。一眼レフ用の「24-70mm F2.8 DG OS HSM | Art」より185gも軽いので、fpと組み合わせても合計で1,257gに収まります。メインレンズとして常用することが多いだけに、この軽さは長時間の撮影時に効いてくるでしょう。
レンズ構成は15群19枚で、FLDガラスやSLDガラス、非球面レンズなどぜいたくな硝材をふんだんに採用しており、ズーム全域で周辺部まで高い描写性能を確保していると感じました。コーティングも、シグマ独自の「ナノポーラスコーティング」を施しており、逆光時でもクリアな画質が得られるとしています。
使い勝手も好印象です。ズームレンズは、持ち歩き時に鏡筒が繰り出してしまうことがありますが、このレンズはロックスイッチを設けているため心配いりません。しかも、ズームリングを繰るだけでロック解除できる構造なので、とっさのシャッターチャンスを逃すことがないのも評価できます。
【お詫びと訂正のお知らせ】記事の初出時、fpと組み合わせた際の重量を835gと掲載していましたが、正しくは1,257gでした。お詫びして訂正いたします。記事は修正済みです。(2020年1月14日 19:00)
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側面にレンズの繰り出しを防ぐロックスイッチを搭載。ズームリングを強めにひねれば解除できる機構が目新しい
側面のAFLボタンは、デフォルトのAFロックだけでなく、さまざまな機能を割り当てることができます。レンズフードもロック付きなので、不意に外れてしまうこともありません。レンズは防塵防滴構造で過酷な環境下でも使えるなど、メインレンズとしての資質もしっかりと備えています。
画質、サイズと重さ、価格と三拍子そろった新世代のフルサイズミラーレス用の標準ズームレンズだと感じました。
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ミラーレスカメラ専用設計になったので、かなり軽量コンパクトになりました。世界最小・最軽量フルサイズミラーレスのfpに装着しても、アンバランスさはさほど感じず使い勝手は良好です。LCDビューファインダー「LVF-11」を装着すれば、より安定感が増します。河川敷にあった標識を撮りましたが、ご覧のようにボケ感は優しくスムーズです(58mm、ISO400、1/60秒、F2.8、-0.3補正)
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fpのカラーモード「ティールアンドオレンジ」で夕景を撮影しました。空のスカッとしたヌケ感と発色、そしてグラデーションが美しいですね。しっかりとした造りの鏡筒はホールド感も高く、AFLボタンも操作しやすい位置にあります。このボタンには、さまざまな機能が割り当てられます(24mm、ISO100、1/160秒、F2.8、-1.3補正)
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このレンズは手ブレ補正機構を搭載していませんが、低速シャッター時でも確実にホールドできるサイズ感と、ビルドクオリティの高いズームリングおよびフォーカスリングの存在が、フォトグラファーに不安を与えません。レンズに軽く左手を添えシャッターを優しく切りましたが、夕闇に浮かぶバーバーをシャープに捉えることができました(34mm、ISO320、1/30秒、F2.8、-2補正)
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最短撮影距離はワイド端で18cm、テレ端で38cmと驚きの近接撮影能力を持っています。ワイド端では、レンズフードを外さないと最短撮影距離まで接近できないほどです。このカットのように花や動植物、小物やテーブルフォトの撮影で活躍しそうです(70mm、ISO100、1/80秒、F2.8)
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ワイド端からテレ端まで収差が抑え込まれており、絞り開放でガンガン使える標準ズームレンズに仕上がっています。直線がまっすぐに写り、とても気持ちがいい描写です。コントラストやヌケ感も良好で、常用したくなる1本です(24mm、ISO100、1/250秒、F8.0、-0.3補正)
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ステッカーでデコレーションされたスクーターをチョイ絞りで撮影しました。ライト周辺のメタリックの艶やかな感じや、フェンダー部分の細やかなディテールの描写が素晴らしいですね。開けても絞っても安定感ある描写が魅力です(70mm、ISO100、1/250秒、F5.6)