強みは、クラウドへの取り組み

RPA市場の盛り上がりとともに、当然、RPAベンダーの競争も激化している。コーリ氏に、競合他社に対する同社の強みを聞いたところ、「ボット・ストア」「AIの導入」「クラウド」が挙がった。

これらのうち、特に注目すべきは、クラウドへの取り組みだろう。コーリ氏によると、企業側もRPAのクラウド展開を期待しているという。

Automation Anywhereはオンプレミスに加えて、フルクラウドでの利用をサポートしている。フルクラウドのメリットとしては、「TCOの削減」「スケールアップやダウンが容易」「アップグレードやメンテナンスが不要」といったことがある。なお、オンプレミスとクラウドサービスは併用可能となっている。

コーリ氏は「われわれはクラウドへの展開が進んでいる。競合に対し、1年以上先を行っている」と話す。

また、同社のソリューションはマイクロサービス、コンテナをベースとなっており、クラウドネイティブな環境となっているのもアドバンテージだという。「他社はクラウドへの対応を進めるにあたり、ソフトウェアを書き直す必要があるだろう」とコーリ氏は指摘する。

Microsoftとコラボレーションを強化

Automation Anywhereはクラウド対応への強化として、先般、マイクロソフトとの戦略的コラボレーションを発表した。これにより、Microsoft AzureはAutomation Anywhere推奨のクラウドとなり、Microsoft Azure上でホストすることが可能になった。

また、ソフトウェアBotを活用して、Microsoft 365、Microsoft Dynamics、Microsoft PowerBI、Microsoft Power Platformなどのマイクロソフト製品と統合された機能を提供するようになった。

そのほか、Automation Anywhereのオンラインマーケットプレイス「Bot Store」では、60以上のマイクロソフト専用ボットのほか、新たにマイクロソフト製品に対応したボットを展開する。

Azure Marketplaceにおいても、2019年第3四半期よりAutomation Anywhere製品へのアクセスが提供される。このバージョンは、Azure環境に最適化 されており、高速で簡単なインストールと導入を実現するワンクリックのインストール機能「Express Install」が搭載される。

最後に、RPA導入を成功させるポイントについて聞いてみた。コーリ氏は「経営層によるトップダウンのアプローチ」と「ビジネスユーザーによるボトルアップのアプローチ」の2種類の方法があると語った。どちらかというと、前者は大企業向け、後者は中・小企業向けだという。

前者のアプローチにおいては、将来性を考慮し、クリエイティブな人材を雇用して、自動化を進めていくとよいそうだ。また、後者においては、現在の開発者やビジネスユーザーが自身の仕事の自動化を進めていくとよいそうだ。