ALIENWARE AREA-51mの内部スペックに迫っていこう。同シリーズは、執筆時点で4モデル展開されており、カスタマイズにも対応するが、基本的に評価機をベースに話を進める。

ハイスペックで高価なモデルでレビューすることになるが、より手ごろな価格・スペックのモデルもあるので、そちらは製品ページを参照して欲しい。

評価機のCPUは、Intel Core i9-9900K。型番を見ると分かるように本来デスクトップPC向けとして使われるCPUだ。執筆時点ではノートPC向けにも8コア/16スレッドモデルが登場しているので、この点では同じ。

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    デスクトップ版のCore i9-9900Kを搭載。8コア16スレッドで定格3.6GHz、ブースト時最大5GHz。TDPは95Wだが、これをモバイルサイズのきょう体内で冷却する

Turbo Boost時の最大クロックも、ノートPC向け最上位のCore i9-9980HKがCore i9-9900Kと同じ5GHzを達成している。

ただし、デスクトップPC向けのCPUは、定格クロックが高い。Core i9-9980Hは2.4GHzだが、Core i9-9900Kは3.6GHzだ。この点で、マルチスレッド実行中の動作クロックが高い分、体感速度も通常のノートPC向けCPUよりレスポンスがよいと思われる。

ラインナップを見ても、最小でCore i7-9700、ほかCore i7-9700KやCore i9-99900と、基本的にCore i7以上のグレードのデスクトップPC向けCPUが採用されている。

CPUの交換は、デスクトップ向けCPUと同じような形で行うことになる。ヒートシンクの取り外しやグリスの塗り替えなど、自作PCかあるいはそれ以上のスキルを要するが、交換可能としている点は評価できる。サービスマニュアルにはその手順が写真とイラストで解説されているので、これを参考に作業しよう。

GPUはNVIDIA GeForce RTX 2080が搭載されていた。Max-Q表記はなかったので通常版と思われる。製品スペックでは、「ファクトリオーバークロック」と記載されているが、GPU-Z上から見ると、定格が1.575GHz、ブースト時が1.755GHzと、これはノートPC版よりもかなり高く、デスクトップ版の定格とFounders Editionの中間といったところだ。

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    GeForce RTX 2080を搭載し、ファクトリーオーバークロックでデスクトップ版のリファレンス以上の動作クロックだった

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    CPU側に搭載されているIntel UHD Graohics 630も利用可能

CUDAコア数についてはデスクトップ版もノート版も2,944基で同じ。つまり、性能的にもデスクトップ版に準ずると予想される。ほかのモデルでは、GeForce RTX 2060/2070も用意されている。

「DGFF」と同社が呼ぶグラフィックスカードの交換も、基本的にはCPUと同様、ヒートシンクの取り外しが必要だ。カードといってもデル独自のデザインだから、この規格に合ったカードが用意されていないとそもそも交換できない。

メモリは、DDR4-2400で32GBが搭載されていた。16GBモジュール2枚のデュアルチャネルだ。スペック表では、4 DIMM構成で16GB×4枚、64GBまで増設可能とある。

高速ストレージを贅沢に使う

ストレージはCドライブがRAID構成で2基のIntel Optane SSD 800p(SSDPEK1W120GAD、128GB)を搭載。評価機では、DドライブにSeagate FireCuda SSHD(ST1000LX015、1TB)を採用していた。

Intel Optane SSDは、通常のSSDで用いられるNANDではなく、Intel 3D XPointを用いており、書き換え回数やランダムアクセス性能が高い。ただしOptane SSD 800pシリーズは容量が最大でも118GBと少なく、PCI Express Gen3 x2接続なので転送速度も単体では1.5GB/s程度になる。

そこを解消すべくRAID化しており、2つ合わせて約240GB、シーケンシャル速度で約3GB/sとスキのないスペックに仕上げている。Optane SSD 800pは高価なので、それを2基用いるのはかなり贅沢だ。

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    CドライブはIntel Optane SSD 800pを2基、RAID構成としている

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    CrystalDiskMarkで計測した転送速度はシーケンシャルリードで3.003GB/sを記録

DドライブのFireCuda SSHDは、HDDをベースにSSDキャッシュを積んだ製品だ。HDD部分は2.5インチの5,400rpmと控えめのスペックだが、転送速度を計測すれば、シーケンシャルで150MB/s前後、ランダムアクセスも1MB/s程度出ている。とはいえ、基本的には少し快適なHDDといったあたり。プログラムを置くというよりはデータドライブとして活用するとよい。

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    DドライブはSeagateのFireCuda ST1000LX015 1TB

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    転送速度は概ねHDDなりのもの+ランダムアクセスが若干速い

ストレージのオプションは非常に豊富で、コストを抑えるならばSSHDのみの構成も可能なようだ。また、SSDもいくつかのモデル、容量、RAIDが選べる。