プロゲーマーが集まる「GODSGARDEN」の一員として活躍している神園さん。プレイヤーとしての活動以外にも、「ギルティギア」シリーズや「ドラゴンボールファイターズ」の公式イベントにおける解説や実況などで活躍中です。その神園さんにプロゲーマーの道を志したきっかけ、現在オススメのゲームなどを聞いてみました。

  • プロゲーマー、神園選手(GODSGARDEN所属)

    プロゲーマー、神園選手(GODSGARDEN所属)

――ゲームを始めた当時の思い出など、神園選手の原点を教えていただけますか?

神園選手:一番最初に触れたゲームはファミコンの「フィールドコンバット」でしたから30年くらい前ですかね。そこから母親に連れられて行ったゲームセンターで「ストリートファイター II」をプレイしたのが格闘ゲーム(以下、格ゲー)を始めたきっかけですね。

対戦を始めたのは中学生くらいの時で、「ザ・キング・オブ・ファイターズ」を友達とやっていました。ただ、ゲームセンターやスーパーの外に置いてあったゲーム機ではCPU戦がメインだったので、見知らぬ人と対戦することはほとんどなかったと思います。

――少年時代は対戦していなかったようですが、格闘ゲームのプロゲーマーになろうと思ったきっかけは?

神園選手:たまたまですね(笑)。20歳くらいの時によく通っていたゲームセンターで「ギルティギア」をプレイしていたんですね。そんなある日、ゲーム雑誌に全国大会レポートが掲載されていて、大会があることを知ったのと同時に、いつものゲーセンでよく見る顔が誌面に載っていることに気づいたんですよね。

そこからはその強い人がプレイしていると必ず乱入(笑)。なんとか倒してやろうと思っていましたね。そうした縁で会話するようになって、「新宿の大会に一緒に出てみない?」と誘われたのがきっかけですね。

――ゲームセンターでの出会いがきっかけなのですね。では、最近で印象に残っていることはありますか?

神園選手:格ゲーで負けて初めて泣きました(苦笑)。あまりにも悔しくて。2月に開催されたゲーム大会「EVO Japan 2019」で行われた「ソウルキャリバー 6」の試合でのことです。自分ではトップ8に入るのは当たり前と思っていたのですが、緊張していたのかいつもの動きができず、2回とも海外勢に負けてしまいました。試合後はメチャクチャ悔しくて自分の不甲斐なさに「なんで負けているんだろ」と何度も自問自答していたのですが、その後にすぐ実況の仕事があったので、トイレに3分くらいこもって泣いて切り替えました。

とにかく、自分自身に腹が立つというか、嫁さんにも申し訳ない気持ちで一杯でしたね。休みの日にも練習することがあって、一緒に出掛けてあげられないので。今まで格ゲーで負けて泣く人は見てきましたが、自分にはその気持ちはまったくわかりませんでした。背負うものがあると、かける思いが変わってくるんだなと知りました。

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    EVO Japan 2019を振り返る神園選手。その胸の内には……

――そんなドラマがあったのですね。今イチオシのゲームは何でしょうか? もう答えは出てしまいましたが(笑)。好きなキャラクターも教えてください。

神園選手:「ソウルキャリバー 6」ですね(笑)。このゲームはシステムが好きなんですよ。ソウルキャリバーシリーズは攻め手一辺倒ではなく、ガードを決めるとターンが入れ替わるんですよね。そのあたりが自分にすごくよく合うというか、キャラクターの持つ武器の違いによって間合いが変わるので、それをうまく詰めていく感じも好きですね。

一番好きなキャラクターは、残念ながらソウルキャリバー 6にはいないんですよね。前作の5ではヒルダだったのですが。現在よく使っているのはソン・ミナですね。薙刀使いなので小回りは利かないのですが、刃の先端を当てるとダメージが大きいので、相手との距離を維持して戦うというのが自分にはすごくよく合っていますね。万能タイプはあまり好きではなく、ちょっと不自由というか、得意な距離があったり、高火力なキャラクターが好きですね。

自分が面白いと思うプレイスタイルは、長距離が得意なこのキャラクターであえて近距離で戦うことですね。これを頑張ると同タイプとの対戦では優位に立てますし、距離を想定して戦ってくる相手にはスキを生じさせることもできるので。

ただし、近距離戦にめっぽう強い御剣平四郎といったキャラクターもいるので、その対抗としてレイピア使いのエイミを練習しています。エイミは、技はよくても素の火力は低いといった設定なんですが、特定の技を規定回数当てると強い技が開放されたり、同じ技でもダメージが上がるなど、クセがあって面白いですね。とはいえ、なかなか難しいキャラクターなので、使いこなすにはまだまだ練習が必要です。

  • ソウルキャリバー6でソン・ミナを操る神園選手

    ソウルキャリバー6でソン・ミナを操る神園選手

――普段、ゲームの練習や動画配信には、どのようなゲーミングPCを使っていますか

神園選手:配信用ではマウスコンピューターのゲーミングPC「G-Tune MASTERPIECE」シリーズを使っています。YouTubeとニコニコ動画に同時配信しているのですが、モタつくなどのストレスはありませんね。また、Steam版のソウルキャリバー 6をプレイする際のロードも速くて、気持ちいいですね。そして何よりもグラフィックス性能が高いので、何ひとつ心配することなく最高画質でゲームをプレイできるのが一番です。

  • プロゲーマー、神園選手とマウスコンピューターのゲーミングPC「G-Tune MASTERPIECE」

    神園選手が配信で愛用するゲーミングPCは「G-Tune MASTERPIECE」シリーズ

【ライター 野村の目】
「G-Tune MASTERPIECE」シリーズはプロゲーマーに納得してもらうために作られたハイエンドPCです。神園選手が使っているのは、前モデルなのでグラフィックスはGeForce GTX 1080Tiですが、最新の i1640シリーズ では、CPUにIntel Core i9-9900K、グラフィックスにNVIDIA GeForce RTX 2080 Tiを搭載することも可能です。GeForce RTX 2080 Tiは「レイトレーシング」という、反射をキレイに描画する機能を持つので、対応ゲームでより一層リアルな映像を楽しめます。

――ソウルキャリバー 6を極めんとする神園さんですが、今後の予定は?

神園選手:ラスベガスで8月2日~4日に開催される「EVO 2019」に行くので、参加するからには優勝したいと思います。知らないプレイヤーと対戦したいですね、世界大会だといろいろなプレイヤーがいるので。外国人プレイヤーだと動画を見るだけだと、それほど強いとは思えない人も多いのですが、実際対戦すると強かったりするので、どういう人かわかるようになりたいですね。実際、EVO Japanではそういうタイプに負けたので。

もしかしたら来年、ソウルキャリバーのワールドツアーが行われるかもしれないので、その時の経験値にもしたいですね。勝負の場から長く離れていたので、少しでも勘を取り戻したいのもあります。

――ファンやゲーマーの皆様に一言お願いします

神園選手:今、e-Sportsが盛り上がってきていますが、見るだけの方もちょっとでもプレイするともっと面白くなると思います。ゲームをプレイすることで、そのゲームのシステムを5%、いや1%、2%でもより理解できると、駆け引きや技の連携などがわかって俄然面白く観戦できるはずです。

最後になりますが……、(静かに力を込めて)今年は打って出ます! 久しぶりにプレイヤーとしてやりこんでいるので、もっと頑張りたいと思います。実況の方では、声がデカくてうるさいとは思うのですが(笑)、わかりやすい言葉でお届けしたいと思いますので、応援よろしくお願いいたします。


気さくに取材に応じてくれた神園さんだが、内に秘めたる闘志と矜持はまさにプロフェッショナルなアスリート。2月に味わった悔しさをバネに、8月に開催されるEVOでは優勝したいという言葉も飛び出しました。実況や解説も今まで以上に取り組んでゆくそうなので、今後の活躍に目が離せません。

(撮影:高嶋一成)