はい、Lightningケーブルは製品によって充電速度に差が出ることがあります。その客観的な基準となるのが、ケーブルが対応する電流の大きさ(単位はアンペア)で、大きいほうが有利です。同じMade for iPhone準拠のLightningケーブルでも、最大出力が大きい/より多くの電流を流せる製品のほうが高速に充電できるということです。

iPhoneなどのスマートフォンを含む電子機器を充電するときの速度は、給電側の電力から推測できます。電力(ワット/W)は電圧(ボルト/V)×電流(アンペア/A)で求められますから、電圧が5ボルトのUSB機器においては、アンペア数の大きいほうが高速に充電できることになります。

USBの規格上の電圧は5ボルトですから、比較はかんたんです(USB Power Deliveryでは最大20ボルトまで定められています)。最大1アンペアのLightningケーブルが扱える電力は5W(5V×1A)になります。2アンペアと大きければ10W(5V×2A)、反対に0.6Wと小さい場合は3W(5V×0.6A)になります。iPhoneの内蔵バッテリー側の事情もあるため、充電速度はワット数に正比例しませんが、3Wより10Wのほうが断然高速です。

ここで見落としてはならないのは、電力を供給するUSB-ACアダプタやモバイルバッテリー側の出力です。iPhoneに付属のUSB-ACアダプタは、最大出力が1アンペアですから、2アンペアのLightningケーブルを利用しても「5V×2A」とはならず「5V×1A」になります。電力供給側の大出力がなければ、Lightningケーブルの性能を生かせないのです。Lightningケーブルを購入する場合は、USB-ACアダプタやモバイルバッテリーもあわせて検討しましょう。

  • Lightningケーブルは製品次第で充電速度に差が出るの?

    Lightningケーブルは製品により充電速度に差があります