SB C&Sは2018年11月に、完全ワイヤレスイヤホン「Sound Air TW-7000」「Sound Air TW-5000s」、およびネックバンド型のワイヤレスイヤホン「Sound Air WS-5100」を発売しました。いずれも、「動くひとの、音」をテーマにしたオーディオブランド「GLIDiC」の製品です。開発を担当した小宮義徳さん、中村拓哉さん、村井隼人さんに、完全ワイヤレスイヤホン市場やGLIDiCの製品について話を聞きました。

  • 写真左から、完全ワイヤレスイヤホン「Sound Air TW-7000」「Sound Air TW-5000s」、ネックバンド型のワイヤレスイヤホン「Sound Air WS-5100」。直販価格はそれぞれ14,990円(税込)、9,860円(税込)、8,510円(税込)

  • 写真左から、ネックバンド型のワイヤレスイヤホン「Sound Air WS-5100」の開発担当・小宮義徳さん、完全ワイヤレスイヤホン「Sound Air TW-7000」の開発担当・中村拓哉さん、完全ワイヤレスイヤホン「Sound Air TW-5000s」の開発担当・村井隼人さん

―― 2018年は完全ワイヤレスイヤホン市場にとって、まさに「花開く」年だったと思います。振り返ってみていかがでしょうか。

小宮:完全ワイヤレスタイプのイヤホンで元祖は、2015年にEARIN社が発売した「EARIN」と言われていますが、当時はここまで流行るとは思ってなかったんですね。Appleから「Airpods」が登場したのが2016年。そこで完全ワイヤレスイヤホンが注目されてから、内蔵チップの性能が劇的に上がったんです。

今は業界全体がチップに力をいれてて、2016年当時だったら1時間くらいしかもたなかったバッテリーでも、今のチップを使えば3時間、4時間くらい音楽を聴けるようになってきました。2018年はようやく完全ワイヤレスとして「使える」ものが出てきたなという感じです。

  • 完全ワイヤレスイヤホンについて熱弁する小宮さん

小宮:完全ワイヤレスタイプでも、ある程度の性能が担保された今、ケーブルのありなしはユーザーによって大きな問題でしょう。完全ワイヤレスイヤホンを使ったことのあるユーザーは、「あれ、ケーブルってこんなにわずらわしかったんだ」と気づきますよね。今後、完全ワイヤレス市場がもっと伸びていくのは間違いないと思います。

―― 市場が伸びていくにつれて、浮かび上がってくる問題もありそうですが……。

中村:完全ワイヤレスイヤホンでいうと、いまだに左右の接続が切れやすいものが非常に多いんです。イヤホンなんですから、音楽を聴けるのは当たり前だと思ってみんな買いますよね。なのに使ってみると「音が途切れます」なんて、ありえない。ユーザーにとって「当たり前」を実現しているのが前提であるべきなんですけど、そこをクリアしていないメーカーも多い気がします。

  • 3人とも「その通り」と激しくうなずく

中村:左右の接続が切れるなんて、低レベルな話をしている場合じゃないぞと。GLIDiCはどのモデルでも、左右の接続が切れない最新チップを選び、アンテナ設計を考えたうえでデザインしています。