『Shadowverse(シャドウバース)』の女性限定大会「Shadowverse Queen Cup 2018」が、11月23日、25日の2日間にわたり、幕張メッセで開催された。
シャドウバースは、1000種類以上のカードからデッキを構築して、フォロワーと呼ばれるキャラクターを召喚して攻撃したり、スペルやアミュレットと呼ばれるカードでフォロワーを支援したりしながら、1対1で戦うオンラインカードゲームだ。
今大会の参加者は256名。そのうち、予選を勝ち抜いた8名が決勝ラウンドへ進出する。予選ラウンドではスイスドロー(それまでの試合成績が近い選手同士が次の試合で対戦するトーナメント方式)、決勝ラウンドはシングルエリミネーション(1回負けると敗退するトーナメント方式)が採用された。
今回、参加者は応募の中から抽選によって選ばれたため、大会に参加できなかったプレイヤーも少なくない。もともとプレイヤー数の男女差が少ない同作だが、女性のみの大会で、これだけの人数が参加したのは前人未到の快挙と言えるのではないだろうか。
準決勝にコマを進めたのは、なしこ。選手、みゃこ選手、りぃ選手、こばと選手の4名。こばと選手はマスター、なしこ。選手、みゃこ選手、りぃ選手はグランドマスターというランクで、実力十分の選手が激戦を勝ち上がってきたといえよう。
準決勝は、「なしこ。選手 対 りぃ選手」「こばと選手 対 みゃこ選手」の組み合わせ。予選を全勝で勝ち抜いたなしこ。選手は、りぃ選手に1セット取られるものの、セットカウント2対1で順当に決勝へ。もう1つの準決勝もフルセットの末、みゃこ選手が勝ち上がった。
そして迎えた決勝戦。「なしこ。選手 対 みゃこ選手」の試合が行われることになったわけだが、実はこの組み合わせは予選で一度実現していた。そのときは、なしこ。選手が勝利を収めていたこともあり、みゃこ選手としてはリベンジといきたかったが、決勝でも再びなしこ。選手へ軍配が上がる結果に。見事優勝を飾ったなしこ。選手が初代クイーンの称号を手に入れた。
限定大会以外でも多くの女性に参加してほしい
女性限定大会ではあったが、実力的に男女の差はほとんど感じられず、白熱した戦いが繰り広げられた。特に、優勝したなしこ。選手は『シャドウバース』の月間ランキングで5位の成績を残しており、RAGEなどの大会でも好成績を記録している“無冠の女王”と呼ばれていた実力の持ち主だ。
今回の大会で初の称号を得ることができたわけだが、そんななしこ。選手に、喜びのコメントをいただいたので、紹介しよう。
――優勝の喜びを誰に伝えたいですか?
なしこ。:家族に伝えたいですね。ゲームやゲームをやっている私を見る目が変わってくるかもしれません。
――予選は全勝で、月間ランキングも5位と、前評判では4人の中で頭一つ抜けているようでしたが、プレッシャーはありませんでしたか?
なしこ。:勝って当たり前と思われていたところはありましたので、かなりプレッシャーになっていましたね。自分としては、そんなに余裕がなく、毎試合ギリギリの勝利でした。
――今回の大会を振り返ってみての感想は?
なしこ。:いろいろな反省点がみつかりました。もっとやりこんで、今後はさまざまな面で努力を重ねていきたいですね。月間ランキングも1位を狙っていきたいです。
――『シャドウバース』の魅力について教えてください
なしこ。:『シャドウバース』はプレイしていてすごく楽しいので、多くの人にやってほしいと思います。今回は、女性限定の大会で250人以上出場していましたが、女性限定の大会でなくても、もっと多くの女性に参加してほしいですね。大会があると『シャドウバース』を毎日プレイし、腕を上達させようというモチベーションになるので、私にはありがたい存在です。ずっと称号がほしかったので、今回クイーンの称号を得ることができて、本当に嬉しいです。今度は、RAGEでもファイナリストになりたいです!
老若男女を問わず大会に参加できるのが、ほかのスポーツにはないeスポーツの魅力の1つ。あえて男女で分けたり、年齢制限を設けたりする必要はないが、限定大会にすると、普段の大会には出場しにくいというプレイヤーでも、参加しやすい雰囲気があるのかもしれない。そういう点では今回、限定大会の可能性を示すことができたのではないだろうか。
さらに、女性のみの大会という、普段ない華やかさと決勝ラウンドに残った4人のオシャレな装いは、eスポーツのあり方に新風を巻き起こしたはず。eスポーツ選手が必ずしもサイクルジャージを着る必要がないと示してくれたのではないだろうか。次回のShadowverse Queen Cupにも期待したいところだ。
(岡安学)