台湾TSMCは8月5日(現地時間)、同社のコンピュータシステムがウイルスに感染し、複数の工場で操業が停止したと発表した。5日の段階で影響を受けたツールの80%で対策が完了し、6日には完全復旧を見込む。

  • TSMCのFab2

TSMCによると、新しいツールのソフトウェアをインストールする際に誤動作が発生し、ウイルスに感染。ツールが社内のネットワークに接続され、コンピュータシステムやファブツールなどへ影響が広がったという。

工場の停止により、製品の出荷が遅れるとともに追加費用により、2018年第3四半期の収益で3%の影響があるという。一方でこの落ち込みに関して2018年第4四半期でリカバリーできるとしている。

TSMCは主だった顧客に対して、今回のトラブルを報告済みで、ウェハの出荷スケジュールについては、数日後に伝達する。

TSMCは半導体製造最大手で、AppleのiPhone/iPadに搭載されるAシリーズプロセッサをはじめ、AMDやNVIDIAのGPUなど多くの企業からプロセッサの製造を請け負っている。

Appleは例年9月ごろに新しいiPhoneを発表。また、NVIDIAも8月20日にGeForceにまつわるイベントを開催し、次期GeForceの発表が期待されるが、これらの製品の投入タイミング、出荷台数などへの影響が懸念される。