AppleがWWDC 2018で披露したiOS 12のプレゼンテーションで最後に紹介したのがiMessageとFaceTimeという、iPhone同士のコミュニケーション機能だ。

  • iOS 12におけるFaceTimeについてプレゼンテーションするAppleシニアバイスプレジデント、クレイグ・フェデリギ氏

Appleはセキュリティ、プライバシー保護に関し、個人が利用するテクノロジー企業としてトップに君臨すべく様々な施策を打っている。Appleが提供するコミュニケーションサービスの要求レベルは高く設定されていて、メッセージング機能のiMessageとビデオチャット機能のFaceTimeは、あらかじめエンド・トゥ・エンドで暗号化されている。

2018年5月25日に発効となったEU一般データ保護規則(GDPR)に対応するため、ユーザーがApple IDに蓄積されたデータをダウンロードして確認できるという措置をとった。実際にダウンロードしてみると、それにはFaceTimeやiMessageの通信記録も含まれていたが、どのようにしてサーバを経由して届けられたのか、というルーティングの記録しか持っておらず、中身についてはAppleが保存していなかったことが分かった。

そんな中で、AppleはiOS 11.4からiCloudにメッセージを保存する機能を提供した。これによって、iMessage、SMSを問わず、同じApple IDで受信したメッセージを同期できる。言い方を変えれば、メッセージ履歴の保存がiCloudとなり、その情報を各デバイスで表示する仕組みに切り替えられる、というわけだ。

こうした機能を擁するiMessageには、人気のあるスタンプ機能や写真・ビデオをはじめとしたほとんどあらゆるタイプのファイルを添付できる機能を付与している。前回の記事で指摘した3Dオブジェクトのオープンファイル形式「USDZ」で保存されたデータも添付し、メッセージの中で3D画像を表示させたり、カメラを開いてテーブルの上に置いたりできるようになるだろう。

一方、Googleや通信キャリアは、従来の回線交換を利用するSMSから、データ通信を用いるRCSへの転換を促し、米国ではシンプルに「Chat」として、また日本のキャリア各社でも「+メッセージ」として導入が進んでいる。コミュニケーションの機能面ではiMessageとほとんど同等のものになるが、暗号化が設定されていない点で、iMessageの優位性は決定的に失われない。

なお、今回のWWDC 2018で、iOS 12のメッセージアプリでのRSC対応は特にアナウンスされていない。また、AndroidやWindowsといったAppleプラットホーム以外でのiMessegeの利用についても言及されなかった。