KDDIが発売したファーウェイ製スマートフォン「nova 2」は、ファーウェイの予想を大きく上回る売り上げを記録しているという。これまでSIMフリー市場での躍進が注目を浴びてきたファーウェイだが、事業規模としてはキャリア向けスマホのほうが大きいという。

これから先、日本市場においてスマホやPCをどう展開していくのか。スペイン・バルセロナでの「Mobile World Congress 2018」の会場にて、デバイス事業で日本・韓国リージョンのプレジデントを務める呉波氏に話を聞いた。

  • ファーウェイ デバイス 日本・韓国リージョン プレジデントの呉波(ゴ・ハ)氏

SIMフリー端末より何倍も売れているauの「nova 2」

ファーウェイは日本のSIMフリースマホ市場でNo.1シェアの企業として知名度を上げている。最近ではミドルレンジ機の「HUAWEI P10 lite」が、MVNO事業者や家電量販店においてベストセラーとなっている。

だが呉氏によれば、ファーウェイ・ジャパンの端末事業の中心は大手キャリア向けのタブレットやWi-Fiルーターなのだという。その背景として、大手キャリア市場は国内スマホ市場の9割を占めると呉氏は分析する。実際、KDDIから発売された「nova 2」はSIMフリー端末の何倍も売れているという。

一方でファーウェイは、多大な投資をしてきたSIMフリー市場の開拓にも意欲を見せる。秋葉原のヨドバシカメラには国内初の「ファーウェイ・ショップ」を設置し、SIMフリーのスマートフォンやタブレット、PC製品を販売していくという。

  • ヨドバシAKIBAにオープンした「ファーウェイ・ショップ」(提供:ファーウェイ・ジャパン)

出店の基準として呉氏は「ROI」を挙げる。実店舗は2016年夏から検討を進めており、銀座や表参道への出店も検討したが、採算性の観点から見送ってきたという。また、店舗を急拡大させる一方で翌年には半数を閉鎖した企業の事例を挙げ、「日本での店舗展開は、長く経営を続けていけることを重視したい」と語った。