国際半導体製造装置材料協会(SEMI)は12月12日、2017年末の半導体製造装置市場予測を発表し、2017年通年の新品装置販売額は前年比35.6%増の559億ドルとなり、過去最高を記録する見通しであることを明らかにした。

SEMI アドボカシー担当国際副社長,Global Vice President of AdvocacyのJonathan Davis(ジョナサン・デービス)は、「半導体が、仕事、通信、エンターテイメントなど、世界の変革を担ってきた。エレクトロニクスは現在、至る所に存在しており、IoT、車載、ビッグデータ、AIと適用範囲を拡大、それにともなって市場も成長が続く」と、製造装置の伸びの背景を説明。「グローバルでデジタル変革が起こった結果、半導体業界は2017年、初めて4000億ドル市場に到達。2018年もこの流れは続き、4360億ドルに達する見通しとも言われている」と半導体の力強い成長が今後もしばらく続く見通しであることを強調した。

  • SEMIの2019年までの半導体市場予測

    SEMIによる半導体市場の予測

こうした半導体の力強い成長を受ける形で、設備投資も活発化しており、その結果、製造装置市場も過去最高を記録する見通しとなったという。装置種別としては、ウェハプロセス処理装置が同37.5%増の450億ドル、純水装置や搬送装置などの設備装置、ウェハ製造装置、マスク/レチクル製造を含む「その他前工程装置」も同45.8%増の26億ドル、組み立ておよびパッケージング装置も同25.8%増の38億ドル、テスト装置も同22.0%増の45億ドルといずれも2桁の成長が予測されるという。

また、地域別としては、韓国が過去、北米や台湾が記録していた最大市場を上回る178億9000万ドルを達成する見通しで、その成長率は前年比132.6%という驚異的な値となる。そのほかの地域としては、欧州は同57.2%増の34億3000万ドル、日本が同29.9%増の60億2000万ドル、地域市場として2位となった台湾は同3.2%増の126億2000万ドル、そして3位には中国が同17.5%増の75億9000万ドルで入り、北米は同24.1%増の55億7000万ドルとなっている。

  • 半導体製造装置市場の見通し

    半導体製造装置市場の見通し

さらに装置市場と併せて材料市場も好調なのだという。材料市場は設置済みの工場の規模に応じて消費されていくこととなるためだ。2017年の材料市場の規模は前年比7.7%増の475億ドル、2018年は同3.2%増の490億ドルへと拡大することが見込まれている。

  • 半導体産業の各分野の2017年成長率見通し

    半導体産業の各分野の2017年成長率見通し

  • 半導体向け材料市場の予測

    半導体向け材料市場の予測

なお、2018年の見通しだが、半導体市場そのものも堅調な成長が見込まれており、市場調査会社によっては、2030年までに1兆ドル市場へと成長すると予測しているとこともあるという。その後押しとなっているのが、グローバルでのメモリならびにファウンドリの投資。特に中国の設備投資は外資系、国内企業ともに積極的に進められており、2018年は前年比49.3%増の113億ドル台へと達する見通しで、台湾を抜き、韓国に次ぐ地域市場2位へと躍進することが予想されるとする。「台湾は地域別市場としては3位の規模となるが、決して弱くなっているわけではない。最近もTSMCが3nm対応ファブの台南に2020年代に建設する計画を掲げるなど、積極的な投資は継続されているが、それ以上に韓国、中国市場での設備投資の勢いが強い」と同氏は説明している。

  • 半導体市場のけん引役はメモリとファウンドリ
  • 中国市場は今後、さらなる成長が見込まれる
  • 2018年の半導体市場のけん引役はメモリ/ファウンドリと中国市場