台湾TrendForceのメモリ市場調査部門であるDRAMeXchangeは11月13日、2017年第3四半期のDRAM市場規模は、前四半期比16.2%増の192億ドルと、四半期としての史上最高値を更新したとの調査結果を発表した。

同四半期のDRAM大口契約価格は、前四半期から平均5%値上がりしたが、これは年末商戦に向けた製品を仕込む繁忙期であった上に、ビット供給量がいまだに限られているためであるとしている。

2017年第3四半期の自社ブランドDRAMメーカーの売上高ランキング(単位:百万ドル)。表の左から、順位、企業名、2017年第3四半期売上高、2017年第2四半期売上高、第3四半期の前四半期比売上高増減率(%)、第3四半期シェア(%)、第2四半期シェア(%) (出所:DRAMexchange)

DRAMeXchangeの調査ディレクタであるAvril Wu氏は、「第4四半期の全カテゴリの平均的なDRAM価格は前四半期比で約10%ほど値上がりする見込みである」との見方を示す。ほとんどのPC-OEMは、すでに第4四半期のDRAM契約価格交渉を終了しているが、11月現在のPC DRAMモジュールの契約価格は30ドルを超え、平均では、第3四半期比7%増の30.5ドル程度を維持している状態となっている。値上がりの背景について、iPhone Xの登場や各社の旗艦スマホモデルの登場でモバイルDRAMが奪い合い状態になっているからであると同氏は説明している。

またWu氏は、「Samsung Electronicsが、DRAM見積り価格の引き上げにかかっており、スマートフォンメーカーは、DRAM在庫の確保のために、同社の言い値に応ぜざるを得ない状況にある。そのため、モバイルDRAM価格は、第4四半期中に10~20%ほど値上がりする可能性があるほか、DRAMモジュール契約価格も6~10%値上がりする可能性がある」とも述べている。

2017年第3四半期(左)および第2四半期(右)の国別DRAMマーケットシェア (出所:DRAMeXchange)