Surface Pro 4にはSurfaceペンが付属していたが、絵心もなく長年のキーボード生活に慣れきっているため、ほとんど使ってこなかった。新Surface ProはSurfaceペンが別売りになった一方、筆圧レベルが4,096段階に向上、傾き検知機能も備えるなど、大きく進化している。今回は新旧のSurfaceペンを用意し、使い勝手を比べてみた。本稿では、Surface Pro 4付属のものを「旧Surfaceペン」、Surface Pro用を「新Surfaceペン」と記する。
新Surface Pro ロードテスト【第1回】どれだけ使える? 気になるバッテリーの持ち具合【第2回】SurfaceペンとSurface Arc Mouseは必須か? 【第3回】漂う高級感! 満足度高し! Surface Pro Signatureタイプカバー 【第4回】机が欠かせないのが唯一の欠点!? 【第5回】3:2のディスプレイを並べて作業効率アップ! |
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新旧Surfaceペンを目の前にすると、新Surfaceペンでは、胸ポケットなどに挿すクリップがなくなっていることに気付く。写真では見にくいが、新Surfaceペンは本体にLEDがあり、Bluetooth接続していない状態では点滅する。また、クリック&選択用ボタンが減っているが、クリック感などに違いはない。マグネット部分も変更はないらしく、新Surface Pro本体側面に取り付けたときの付着力も旧Surfaceペンと同じ感覚だった。
新Surfaceペンを使って最初に感じたのは、筆圧によって線の太さが変わる「入り」「抜き」がより鋭敏になっている点だ。また、遅延差は想像以上の違いである。旧Surfaceペンのレイテンシー(遅延速度)は未発表だが、新Surfaceペンは21ミリ秒。画面上でペン先を滑らすと、ペン先の動きに画面上の「線」がリアルタイムに近い感覚で追従してくる。体感的には、新Surfaceペンは「より自然な書き心地」なのだ。手書き入力や簡単なマーキングであれば旧Surfaceペンでも十分だが、繊細な線を描く場合は、新Surfaceペンの優位性が際立つだろう。
絵心がない筆者でも、仕事用のバッグには常に旧Surfaceペンが入っていた。Surfaceペンをポインティングデバイスとして使うためだ。取材で撮った写真をレタッチするとき、赤目補正や遠近法切り抜きなどは、タッチパッドよりもペンの方がはるかに便利。また、新Surface Proのキックスタンドは165度まで開くため、机上であれば顔を近づけてレタッチ操作を行える。さらにそれが叶わない時のために、Arc Touch Bluetooth Mouseを以前から持ち歩いていた。机が狭い喫茶店で作業を行うためである。
そのArc Touch Bluetooth Mouse、他の一般的なマウスと比べて優れているのは、まず形状だ。マウスを折るように曲げると電源が入り、横一文字に延ばすと電源が切れる仕組みのため、バックの中で収まりがよい(編集H : 激しく同意!)。さて、新Surface ProとともにリリースされたSurface Arc Mouseは、縦方向から縦横方向のスクロールするタッチセンサーを組み込み、タッチパッド並みの自由度を備えるデバイスだ。
上図のとおり、ボタンやスクロールバーといった境目がなくなり、タッチパッドのようにフラット化している。Arc Touch Bluetooth Mouseと比べると、クリック音は少々大きく、Arc Mouseシリーズが備える触覚フィードバック(スクロール速度を指に伝える振動)もなくなった。また、UWP(ユニバーサルWindowsプラットフォーム)アプリケーションの「Arc Touch Bluetooth Mouse」では、Surface Arc Mouseに対する詳細設定は行えず、感度などはコントロールパネルの「マウス」で行うようになっている。
もっとも残念なのは、新Surfaceペンは「グレー」「コバルトブルー」「バーガンディ」「ブラック」の4色で展開しているものの、グレー以外の配色はすべて後発だった。筆者は新Surfaceのタイプカバーとして「Surface Pro Signature Type Cover」を選択し、SurfaceペンやSurface Arc Mouseは、同じ配色にするため購入を控えていた。今回はSurfaceペンとSurface Arc Mouseが十分使える確証を得たので、安心して購入するつもりだ。
阿久津良和(Cactus)