筆者が一番高く評価したいのは、これだけの機能を詰め込んでおきながら、サイズやデザインを変更しなかった点である。機能性重視だから武骨なフォルムでOKなどというのは、ファッショニスタにはあり得ない。絶対に許せないである。モード系ファッションに馴染まないようなApple Watchは、Apple Watchではない。

Hermèsとのコラボモデル「シンプルトゥールラリー」

同じく「シンプルトゥールエプロン・ドール」

Series 3では、新登場のスポーツループに、デザインを刷新したウーブンナイロン、レザー、スポーツバンド、Nikeスポーツバンドにも新色が追加された。Hermèsとのコラボも継続され、シンプルトゥールラリー、シンプルトゥールエプロン・ドール、ドゥブルトゥールの新色がラインナップに加わり、Apple Watch Editionでは新色のグレイが追加された。もっともパーソナルなデバイスだから、個性に合わせた存在であってほしい。十人十色のファッションにマッチするルックスもApple Watchの本質的な魅力なのである。

十人十色という意味では、スペシャルイベントで流されたムービーが全てを物語っているように感じられた。そこに登場するさまざまな年齢の人々が、さまざまな状態におかれており、それぞれが違う使い方をしていたのである。例えば、筆者は音楽好きで「ミュージック」アプリを多用するが、泳げないので「プールスイミング」のワークアウトは死んでも使わない。こういう使い方で良いのだ、使い方を提案しても強要はしない。それぞれが違っていい、それがApple Watchのユーザーの姿であり、Apple製品のユーザーであり、根本に流れるAppleの思想なのである。