米国時間で9月12日に発表された新iPhone3機種の中でも、注目されるのが上位機種の「iPhone X」。だがiPhone Xは、他の2機種と比べ発売開始時期が11月と遅く、また生産台数も少なくなるのではないかと言われている。その主因は有機ELディスプレイである可能性が高いが、なぜ有機ELディスプレイの採用が、販売の遅れにつながるのだろうか。

iPhone 8/8 Plusより1カ月半遅れての販売

新iPhoneの中で最も大きな注目を集めた「iPhone X」。前面がほぼディスプレイを占めるデザインと、AIを活用した顔認証機能などが特徴となっている(画像:アップルニュースルームより)

毎年9月実施される傾向にある、アップルのiPhoneの新機種発表。今年も米国時間の9月12日に、アップルは新機種の発表会を実施し、新しいiPhoneをはじめとしたいくつかの新機種を発表した。

この新製品発表会では、従来モデルを継承し、新たに無線充電規格の「Qi」に対応した「iPhone 8」「iPhone 8 Plus」も発表されている。だがやはり大きな注目を集めたのは、最上位モデルとなる「iPhone X」だったといえるのではないだろうか。

前面を5.8インチ有機ELディスプレイがほぼ占めるデザインのインパクトに加え、赤外線カメラと、AI関連の処理をサポートする「ニューラルエンジン」を搭載した新しいチップセット「A11 Bionic」の組み合わせにより、顔を正確に認証する「Face ID」を実現するなど、従来のiPhoneに新機能を付加するだけにとどまらない、スマートフォンの未来を感じさせる内容が驚きをもたらし注目されたようだ。

だが一方で気になるのが、iPhone Xの発売日である。iPhone 8/8 Plusの発売日は9月22日と例年通りなのだが、iPhone 10だけは発売日が11月3日と、1カ月半ほど先となっているのだ。iPhone Xの発売日が遅れるのにはマーケティング面での戦略という可能性もあるが、開発や製造の難しさなどから、後ろ倒しになったのではないかという懸念もある。

実際iPhone Xの発表前後にかけて、iPhone Xは生産できる台数が少なく、市場に十分に端末を供給できない可能性があるとの観測報道がなされているようだ。昨年、iPhone 7/7 Plusのジェットブラックモデルが、生産が需要に追いつかず長きにわたって品薄となる事態に陥っていたが、iPhone Xはそれ以上の品薄となる可能性が高いとの声もあるようだ。