近年、社会問題のひとつとして大きく叫ばれるようになった「食品ロス」。これは、まだ食べられるのに捨てられてしまう食品、使い切れず廃棄される食品などのことを指す。この食品ロスの削減に意欲をみせているのが日本気象協会だ。

もともと日本気象協会は、経済産業省の「次世代物流システム構築事業費補助金」を活用した、「需要予測の精度向上による食品ロス削減および省エネ物流プロジェクト」に取り組んでいた。2014~2015年に実証実験を繰り返し、2017年に事業化を目指すとしていたが、いよいよそれが実現した格好だ。

人口減少による生産性低下をどうするか

日本気象協会 事業本部 防災ソリューション事業部 専任主任技師 本間基寬氏

まず、日本気象協会 事業本部 防災ソリューション事業部 専任主任技師 本間基寬氏は、「日本の人口が減少傾向になるなかで、いかに生産性を向上させるかが喫緊の課題」だとした。また、単なる人口減少ではなく、生産人口が減ることも大きな問題だと付け加えた。特に“経験と勘”を有した技能者が次々と引退し、国内の生産性に暗い影を落としているという。

そうした生産人口減少を補うものとして「IoT」「ビッグデータ」を挙げたが、「こうしたデータを持つ企業が十分に連携できていないのも問題」(本間氏)。複数の企業間でデータ連携を行っているのは1/4以下なのだそうだ。

では、この課題の多い生産性向上に対し、なぜ気象データなのか。もともと気象データは、電力や鉄道、自治体、海運といったインフラ企業・団体で活用されることが多かった。だが、日本気象協会によると全産業の1/3がなんらかの気象リスクを負っているが、気象データを活用している企業はごくわずからしい。そこで、インフラ企業以外の気象データ活用に向け、食品ロス削減に着目した。