KDDIと沖縄セルラーはスマートフォン向けの新しい料金プラン「auピタットプラン」「auフラットプラン」を発表した。割引の組み合わせ次第では月額1,980円から、というMVNO並みの格安プランだが、子会社とのシェアの食い合いも辞さないという強気の狙いはどこにあるのだろうか。

段階式従量制で、たくさん使わない人にお得感

新しい料金プランは2種類ある。このうち「auピタットプラン」は、一言で言えば「使ったデータ量に応じて段階的に料金が上がる段階式従量制プラン」だ。

従来のデータプランでは、1GB、2GB、3GB……と月内に利用する容量を決めておく。超過した場合は通信速度が低下し、使い切らなかった場合は一部を翌月に持ち越せる場合もあるが、基本的には未使用分が無駄になる、というシステムだ。

これに対し「auピタットプラン」は、実際に使ったパケット量に対して、段階を経て料金が上がっていく。これならば使わない月は安く抑えられ、無駄なパケット余りを気にする必要も少なくなるし、20GBを超えない限り通信速度の低下は発生しない仕組みだ。

昔懐かしいプロバイダーのキャップ制料金を思い出す段階式従量制プラン

もう1つの「auフラットプラン」は20GB、30GBという大容量向けのプランで、20GB同士で比べれば従来プランや「auピタットプラン」と比べて大幅に安くなる。

「ピタットプラン」は現行プランと比較すると月額1,500円安くなる

どちらのプランも、従来は音声通話プランを従量制の「シンプル」、音声通話かけ放題の「スーパーカケホ」「カケホ」の3種類から選んでデータプランに組み合わせる形だったが、「auピタットプラン」では音声プランを選ぶところまでは同じながら、料金は音声+データの組み合わせによって決まっている。iPhone用の「スーパーカケホ」+「データ定額20GB」では月額8,000円になるので、1,500円ほど安くなる計算だ。

端末については従来のように24回の割賦販売が行われるが、新料金プランの提供開始に合わせてスタートした「ビッグニュースキャンペーン」では、新規契約または機種変更時に新料金プランを選ぶことで、翌月から12カ月間、利用料金が1,000円引きになる。

さらに、固定回線もKDDI網にすることで割引が得られる「auスマートバリュー」も適用できるため、「auピタットプラン」ではパケット利用量が1GBまでの場合で月額1,980円が実現できる(シンプル、スーパーカケホの場合、1年間のみ)。「auフラットプラン」でも20GBで月額4,500円と、MVNO並みの低価格だ(たとえばIIJmioの「データオプション20GB」と音声通話機能付きSIM(みおふぉん)の場合、月額4,700円)。

こちらが「auピタットプラン」の場合の料金表。左から「シンプル」「スーパーカケホ」「カケホ」だ

こちらが「auフラットプラン」の場合。1回の通話が5分以内という制限があるのが「スーパーカケホ」で、制限なしで高い方が「カケホ」なのは名前ではわかりにくい。どうにかならないものか