ヴイエムウェア 代表取締役社長 ジョン・ロバートソン氏

ヴイエムウェアでは、テクノロジーの活用により柔軟な働き方を実現しているとして、代表取締役社長のジョン・ロバートソン氏が同社における取り組みを紹介した。

ロバートソン氏は冒頭、「優秀な人材を採用し、その人材を育成し、大事にすれば、企業は成長を続けると考えている。重視している指標に『退職率』があるが、ここのところ10%未満が続いており、マネジメント層の8割は当社で育った人たちとなっている。人材活用の施策として、毎年2割の人材をジョブローテーションしている。これにより、社内のコミュニケーションが活発になり、イノベーションが生まれる」と、同社の人材に対する戦略を説明した。同社ではこうした考え方を「VMware Family」と呼んでいる。

同社は、「Any Cloud」「Any Application」「Any Device」という戦略の下、テクノロジーを活用して、どこでも仕事ができる環境を整備しているという。ロバートソン氏は「今年の4月より、"Work@anywhere"に取り組んでいる。すべての社員を対象に、柔軟に仕事ができる環境を提供することで、生産性の向上とワークライフバランスの充実を促進させる。余裕があれば、よい仕事ができる」と語った。

同社では8年前からフリーアドレス制を導入しているが、2年前にリフォームし、カジュアルなミーティングができるよう、ホワイトボードとモニターがあるスペースを設置したそうだ。「いわゆる会議室ではない、ストレスなく話ができる場所が欲しかった。最初の1週間は誰も寄り付かなかったが、若い人から使うようになり、今では会長の三木もくつろいでいることがある」とロバートソン氏。

また、社内会議といえば1時間確保されることが定例となっており、1時間を満たすために必要ないことまで話し合う状況もあったことから、最長45分というルールを定めたそうだ。

さらに、ロバートソン氏はシンガポールオフィスに赴任していた際の経験を披露した。シンガポールの従業員は日本と比べ、社内にいる時間が短かいことに驚いたという。しかし、リモートで会議を行うなど、テクノロジーを駆使して仕事を行うことで、成果を上げていることを知り、価値観が変わったそうだ。「会社に来なくても、仕事はできる」とロバートソン氏は力説していた。