一方のHP 3D Scan Software Pro v5は、より本格的な工業用などへの利用も視野に入れた360°の高精度な3Dモデリングを可能とする。3Dカメラの下にターンテーブルを設置し、その上にアイテムを置き、ターンテーブルを回しながら取り込んでいく。STEAM(科学、技術、工学、芸術、数学)教育や、VR/ARアプリのための3Dキャプチャ、デジタルアーカイブ、ネットショップ内の商品サンプル作成といった、幅広い用途に利用可能だ。こちらは1つあたりの取り込みに数時間を要する。

なお、Camera 3Dはペットボトルのようなシンメトリー(左右相称)なデザインのアイテムは取り込めない。HP 3D Scan Software Pro v5にはこうした制限はない。3Dモデルの保存形式は、OBJ、3MFの2つに対応。2Dキャプチャの保存形式は、PNG、JPG、PDFの3種類だ。

HP 3D Scan Software Pro v5の実演は時間が掛かるため、イメージビデオで説明

Camera 3DやHP 3D Scan Software Pro v5を始め、Sproutの機能性能を活かしたアプリケーション、ディスプレイおよびカメラの設定、データの管理、ハードウェア設定などは、専用ランチャーの「HP WorkTools」から呼び出す。ディスプレイ下部の台座部分には、利用頻度の高いHP WorkToolsの起動ボタンなどが設けられており、必要な機能を素早く起動できる。

このほか、発表会では印刷物の校正に利用したり、製造業の製造業の組み立て/組み付け、修理などの練習といった2Dスキャンの活用や、建設業界でのウォークスルーやレイアウト変更も直感的に行えるといったプレゼンが披露され、図書館や美術館、デザイン業界など、様々な分野で活用の機会が考えられるとした。

Sproutは、日本HPの通販サイトで7月上旬以降から購入可能になる。通常の3年標準保証が適用されるほか、購入者先に訪問して設置と初期設置を行った後、製品紹介およびアプリケーションを使用した簡単なデモを実施する「ハードウェア設置&デモサービス」が標準保証に含まれる。

Sprout専用アプリとして「WorkTools」がプリインストールされている

WorkToolsには、コンテンツ管理、2Dキャプチャ、3D簡易キャプチャ(Camera 3D)、HP 3D Scan Software Pro、ストップモーション、ビデオキャプチャなど、さまざまなツールが含まれる

製造業における組み付けのトレーニングへの活用例。手順や実例を見ながら作業し、正しくスキャンできているかなども確認

設計現場での活用例。冷蔵庫をインテリアに合うようにカスタマイズしている